高重量こそ正義
トレーニングに対して、こんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
重いものを持ち上げられると達成感も得られますし、なによりかっこいいですよね。
かくいう僕も
とにかく重量を伸ばしたい!
と考えているトレーニーの一人です。
とはいえ、MAX重量を伸ばすだけではなく、かっこいい見た目になるために効率的に筋肥大も達成したい。
ということで今回の記事では
MAX重量を伸ばすことを目的にした超高重量トレーニングは筋肥大に有効なのか?
について考えていきたいと思います!

一般的な重量設定
筋トレの重量設定と目的としては
1~4RM | 筋力向上 |
5~18RM | 筋力向上・筋肥大 |
18RM~ | 筋持久力向上 |
というのが一般的です。
(筋トレ動き方・効かせ方パーフェクト辞典より)
ちなみにRMとは重量設定方法のひとつで、
10RMなら10回ギリギリできて11回はできないくらいの重量
という感じ。
詳しくは以下の記事をご覧ください!
筋肥大を狙うには8-12RMでのトレーニングが最も効果的
というのが現在の主流の考え方です。
一方今回の記事では
1-4RMの高重量のトレーニング
が筋肥大に効果的なのかどうかについて議論していきます。

高重量トレーニングのメリット
数レップしかできないような高重量でのトレーニングのメリットとしては
- 筋力向上によるトレーニング強度の底上げ
- フォームの習得
- 集中力の向上
- 他のトレーニングへの活用
が考えられます。
筋力向上によるトレーニング強度の底上げ
筋肥大を引き起こすきっかけは、主に
- 物理的ストレス
- 化学的ストレス
の2種類。
物理的ストレスは、その名の通り筋肉にかかる物理的な負荷や筋繊維の損傷による筋肥大のスイッチです。
一方化学的ストレスは、いわゆるパンプアップのように、筋肉内の代謝環境の変化によって引き起こされるもの。
一般的に、筋肥大には物理的ストレスが最も大切とされています。
高重量低レップのトレーニングは最大筋力の向上に効果的で、筋力の向上はそのまま使用重量のアップにつながります。
より高重量を扱うことによってトレーニングの強度と質を底上げし、プログレッシブオーバーロードを達成しやすくなるのは、高重量トレーニングの大きなメリットと言えるでしょう。
筋肥大を引き起こすには、ある程度の筋力アップも必須
というわけです。

フォームの習得
高重量を扱うとフォームが崩れそう、というイメージがある方も多いかと思いますが、実は一概にそうは言い切れません。
たとえば、10回ギリギリできるくらいの中重量を設定した場合を考えてみてください。
最初の5回くらいは体力的にも筋力的にもそんなにきつくありませんよね。
すると、余裕があるため、多少軌道がぶれたり、フォームが崩れたりしても動作を続行させることができます。
要は
正確なフォームじゃなくてもできてしまう
ということです。
この点、1回ギリギリできるかできないかくらいの超高重量でのトレーニングでは、最初から完璧なフォームで動作しないと充分な力を発揮できず、筋力的な余裕がないため途中でフォームの修正もできません。
つまり、
正しいフォームを習得せざるを得ない状況を意図的に作ることができる
ということです。
集中力の向上
先ほども触れたように、高重量のトレーニングは完璧なフォームで行う必要があります。
少しでもフォームがぶれてしまうとそのままつぶれてしまうこともあるため、ある程度の恐怖感も伴います。
1回1回の高重量トレーニングで完璧なフォームを実現し、つぶれる恐怖感に打ち勝ち続けることで、はかなりの集中力が養われるでしょう。
他のトレーニングへの活用
先ほども触れたように、MAX重量に挑戦するような高重量のトレーニングでは
- 正確なフォーム
- 集中力
を身に着けられます。
フォームや集中力などのトレーニングの基礎固めは、中重量、低重量のトレーニングやその他のトレーニングテクニックにも活かすことができます。
また、MAXチャレンジの時の1回と、通常のトレーニングでのラスト1回は、肉体的にも限界を迎え、精神的にも似たような状況になります。
普段からMAXに近い重量のトレーニングを行っておくことで、ラスト1回の追い込みがうまくなるという期待もできます。

デメリット
MAX重量に近い高重量でトレーニングを行うことにはデメリットも付きまといます。
- 筋肉を意識しにくい
- ボリュームが不足しがち
- ケガのリスクが高まる
筋肉を意識しにくい
自分の限界に近いような高重量を挙げるには、重量を挙げることのみに意識を集中させがち。
どうしても
- 筋肉の動き
- 筋肉の収縮・伸展
などを意識しにくくなってしまいます。
いわゆるマインドマッスルコネクションを達成しにくいということですね。
ボリュームが不足しがち
効果的に筋肥大を引き起こすには、
ボリューム
という考え方が非常に大切になってきます。
これは
使用重量×レップ数×セット数
で計算される数字のこと。
MAXに近いような重量を扱ったトレーニングでは、もちろん使用重量は大きくなりますが、その分レップ数が小さくなってしまいます。
その結果、トレーニングのトータルボリュームが少なくなってしまうわけです。
例えば、ベンチプレスのMAXが100kgの場合、
100kgで1レップ3セット→ボリュームは100×1×3=300
70kgで10レップ3セット→ボリュームは70×10×3=2100
という感じになります。
ある程度重量を抑えた方がボリュームを稼ぎやすいことは一目瞭然ですね。
ボリュームについて詳しくはこちら!
ケガのリスクが高まる
自分の限界に近いような高重量を扱うので、必然的に身体への負担は大きくなります。
特に腱や関節にかかる負荷が大きくなってしまうと、ケガのリスクも高まってしまいます。
フォームの修正も難しく、少しのズレでつぶれてしまい、取り返しのつかないケガにつながってしまう可能性もあるので、超高重量を扱うときは細心の注意が必要です。

種目選択は?
トレーニングには数多くの種目がありますが、MAXに近い超高重量のトレーニングを行う際には種目の選択も重要です。
ずばり、超高重量トレーニングは
コンパウンド種目
で行いましょう。
コンパウンド種目とは、複数の関節が動作に関与し、多くの筋群が動員されるトレーニングのこと。
多くの筋肉が動員されるため比較的高重量を扱いやすく、フォームも安定しやすくなります。
特におすすめなのは
スクワット・ベンチプレス・デッドリフト
のビッグ3。
ビッグ3の重量の底上げはそのままトレーニングの質の向上につながるので、MAXに近い高重量を扱うときはぜひビッグ3を行いましょう。
反対に、ひとつの関節のみが動作に関与し、少数の筋肉のみを狙ったトレーニングを
アイソレーション種目
というのですが、こちらは
ターゲットの筋肉に意識を集中して「効かせる」こと
が目的のトレーニング。
高重量を扱うのにはあまり向きません。

メニューの組み方
MAXチャレンジ、ひいてはMAXに近いような高重量のトレーニングを行うときは、必ず最初の種目で行うようにしましょう。
トレーニングの後半に高重量を持ってきてしまうと、肉体的な疲労によって
- 本来の力を発揮できず、高重量を扱う意味がなくなってしまう
- フォームのブレやケガにつながってしまう
といたデメリットが出てきます。
せっかくMAXにチャレンジしても力が出なければモチベーションも下がりますし、つぶれてしまうのはケガにもつながり危険です。
せっかく超高重量を扱うのであれば、トレーニングの前半、元気なうちにやってしまいましょう。
注意:安全第一に!
MAXチャレンジ、もしくはMAXに近い重量を扱うのは、もちろん危険です。
重量設定、フォームなどを間違えるとつぶれてしまう可能性は格段に上がり、モチベーションの低下、ケガ、最悪の場合は命の危険があると言っても言い過ぎではありません。
一人で超高重量を扱うときは必ずセーフティーバーをセットしておきましょう。
ジムでトレーニングする場合や、友人と一緒にトレーニングする場合は、セーフティーバーに加えて補助にもついてもらいましょう。
筋トレはあくまでも安全第一。
長期的にたのしくトレーニングを続けていくためにも、無理な挑戦は避けましょう。

まとめ
MAXチャレンジや、それに近い超高重量を扱うトレーニングのメリットやデメリット、取り入れる際の注意点について紹介してきました。
一般的には中重量・中レップのトレーニングが筋肥大に効果的とされていますが、超高重量のトレーニングも使い方によっては大きな効果が得られます。
安全には気を付けつつ、積極的に取り入れていくのもアリかと思います。
トレーニングにはたった一つの正解というものはありません。
今回紹介した超高重量のトレーニングを含め、いろいろなトレーニングを試しながら自分にあった方法を探してみるのもまた一興です。
