トレーニング歴が長くなってくると
- 何となくトレーニングがマンネリ化してきた
- もっと追い込みたい
- 筋肉に新しい刺激を与えたい
という思いが出てくることと思います。
そんなときは、少しのテクニックや工夫によってトレーニングに少し変化を付けるのがおすすめ。
ということでこの記事では
コンパウンドセット
というトレーニング方法について紹介していきます。
コンパウンドセットは、
- トレーニングのマンネリ化解消
- トレーニングの強度アップ
- 新しい刺激の獲得
などにとても有効なテクニックです。
ぜひ参考にしてみてください!

コンパウンドセットとは
コンパウンドとは
複合的な
という意味の英語です。
その名前からも推測できるように、
1種目だけでなく、2種目のトレーニングを組み合わせる
というアプローチでトレーニングしていくのがコンパウンドセットの基本的な考え方です。
具体的には
「同じ部位をターゲットにしたトレーニングを2種目で1セットと考えて、種目間のインターバルをとらずに行う」
というのが基本的なコンパウンドセットの組み方です。
ベンチプレス ↓ インターバル無し ↓ ダンベルフライ
という感じですね。
ポイントは
同じ部位をターゲットにした2種目を連続で行う
というところ。
インターバルなしで同じ部位に刺激を与えていくため、普段と違った刺激を与えたり、トレーニングの強度を高めたりしやすくなります。

スーパーセットとの違いは?
コンパウンドセットは2種目で1セットと考えてトレーニングする
ということを紹介してきました。
同じように2種目で1セットと考えるテクニックに、スーパーセットというものがあります。
そこで、コンパウンドセットとスーパーセットの違いについても紹介しておきます。
コンパウンドセットは
同じ部位をターゲットにした2種目
でセットを組みます。
例えば、大胸筋のトレーニングでコンパウンドセットを取り入れると
ベンチプレス(大胸筋)→ダンベルフライ(大胸筋)
のような種目の選び方になります。
一方スーパーセットは
真逆の働きをする筋肉(拮抗筋)をターゲットにした2種目
を組み合わせます。
例えば、大胸筋と真逆の働きをするのは広背筋なので
ベンチプレス(大胸筋)→懸垂(広背筋)
のような種目を選択するのがスーパーセットです。
コンパウンドセットとスーパーセットでは「2種目の1セットと考え、インターバル無しで行う」という点は共通していますが、トレーニングの内容は全く異なってくるので間違えないようにしましょう。
スーパーセットについてくわしくはこちら!

コンパウンドセットのメリット
コンパウンドセットのメリットとしては
- 新鮮な刺激が得られる
- トレーニング時間が短縮できる
- パンプ感が得やすい
- トレーニングの強度が上がる
などがあります。
では、ひとつづつ紹介していきます。
新鮮な刺激が得られる
筋トレで筋肉を成長させるためには
筋肉に刺激を慣れさせない
ということがとても大切になってきます。
しかし、いつも決まりきった種目や回数、セット数でトレーニングしていると、筋肉がトレーニングで与えられる刺激に慣れてしまい、成長速度も遅くなってしまいます。
その点コンパウンドセットでは、同じ部位を狙ったトレーニングを連続で行うという特性上、通常のトレーニングでは感じにくい、新鮮な刺激が得やすくなります。
トレーニングのマンネリ化対策として、コンパウンドセットはかなり有効です。
トレーニング時間が短縮できる
コンパウンドセットは、種目間のインターバルを挟みません。
そのため、そもそものトレーニング時間が短縮できます。
さらに、コンパウンドセットはかなり強度の高いトレーニングなので、普通のトレーニングよりも早く体力的な限界が来ると思います。
忙しい人でも短時間できっちり追い込めるのも大きなメリットですね。
パンプ感が得やすい
コンパウンドセットでは、2種目をインターバル無しで行うという特性上、筋肉に力が入った時間が長くなります。
筋肉の収縮時間が長くなるということはすなわち、血管が押しつぶされている時間が長くなるということです。
すると筋肉に運ばれる血流が制限され、筋肉内に乳酸などの無酸素性代謝物がたまりやすくなります。
これがいわゆるパンプアップですね。
筋肉に乳酸などががたまると筋肉内の代謝環境が悪化し、その環境に適応するために筋肥大が起こりやすくなります。
コンパウンドセットは、パンプアップを狙うことで筋肥大にも有効なわけです。
また、筋肥大うんぬんは置いておいて、
パンプアップするとシンプルに気持ちいい
というものコンパウンドセットのメリットです。
トレーニングの強度が上がる
コンパウンドセットはトレーニングの強度アップにも効果的です。
それもそのはずで、2種目をインターベル無しで行うわけですから、必然的に筋肉の収縮時間は長くなり、筋肉が受ける物理的なストレスも大きくなります。

コンパウンドセットのデメリット
どんなに効果的なトレーニング方法にもデメリットはつきものです。
ということで、コンパウンドセットのデメリットのついてもチェックしておきましょう。
ケガにつながる
コンパウンドセットには
- 強度が非常に高い
- 筋肉を回復させる時間が短い
という特徴があります。
そのため疲労がたまりやすく、筋肉の回復も遅れてしまいます。
コンパウンドセットの後半になってくると、疲労や肉体的な限界から、フォームが崩れてしまうことも多いでしょう。
過度な疲労やフォームの乱れは腱や関節のケガ、オーバートレーニングなどに直結します。
トレーニングはあくまで健康な身体ありきです。
無理をするのは避けた方がいいでしょう。
オーバートレーニングについて詳しくはこちら!
迷惑になることがある
コンパウンドセットでは、2種目を連続して行うということが重要です。
1種目を終えてから2種目目の器具を準備していては、その間に筋肉が回復してしまい、コンパウンドセットを行う意味がなくなってしまいます。
そのため、あらかじめ2種目分の器具を用意しておく必要があります。
混雑しているジムなどでコンパウンドセットを行ってしまうと、他の人の迷惑になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
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コンパウンドセットのポイント
では、コンパウンドセットを行う際の注意点についても紹介していきます。
初心者のうちは避ける
今まで紹介してきたように、コンパウンドセットは
強度が高い・インターバルが短い・疲労がたまりやすい
と、比較的難易度の高めなトレーニングです。
最後まで正しいフォームでやり切り、ケガや疲労の蓄積を抑えるには、ある程度のトレーニングへの慣れが必要になってきます。
初心者の方は、いきなりコンパウンドセットを組むのではなく、最初の数カ月程度は通常のトレーニングて身体を慣らしていくのがいいでしょう。
1種目目高重量・2種目目は低重量
コンパウンドセットを行う際には、1種目目と2種目目で扱う重量を変えるのがおすすめです。
1種目目は高重量を扱い、大きな物理的ストレスを与えていきましょう。
2種目目は疲労がたまりフォームが崩れやすくなるため、軽めの重量できっちりコントロールしながら行うのがおすすめです。
このように重量を変えることで
- フォームの乱れによるケガを防止しやすい
- 1セットで異なる2種類の刺激が与えられる
というメリットがあります。
2日連続ではしない
コンパウンドセットはかなり高強度のトレーニングです。
1度コンパウンドセットをした部位はしっかり休ませましょう。
コンパウンドセットを取り入れるのは
1部位につき週に1回程度、多くても週に2回
くらいがおすすめです。
むしろ、これ以上の頻度でコンパウンドセットができてしまう場合は、トレーニングの強度が足りていない可能性が高いです。
その場合には
- 使用重量を上げる
- フォームを改善する
などで1回のトレーニングの質を改善していくのがいいでしょう。

部位別おすすめコンパウンドセット
では、各部位のコンパウンドセットのおすすめ種目やトレーニング順序を紹介していきます。
胸
ベンチプレス→ダンベルフライ
これは、筋肉に負荷がかかる位置でトレーニングを分類するPOF法というテクニックの考えを取り入れたメニューになります。
- ミッドレンジ系種目のベンチプレスで物理的に大きなストレスを与え
- ストレッチ系種目のダンベルフライで筋繊維を徹底的に破壊していく
ことで、より効率的な筋肥大が期待できます。
POF法について詳しくはこちら!
背中
懸垂→ダンベルロウ
背中の大部分を占める広背筋は非常に大きな筋肉で、立体的な背中をつくるには
広背筋上部・広背筋下部
で鍛え分けていくことが大切になってきます。
このメニューでは、懸垂で広背筋上部を狙い、ダンベルロウで下部に刺激を与えていくことができます。

脚
スクワット→レッグエクステンションorレッグカール
こちらもPOF法を取り入れたメニューです。
ミッドレンジ系のスクワットで大きな刺激を与えた直後に、コントラクト系の種目を持ってくることでパンプアップを狙っていきます。
脚の前面(大腿四頭筋)を鍛えたい場合は
スクワット→レッグエクステンション
脚の後面(ハムストリング)を鍛えたい場合は
スクワット→レッグカール
がおすすめです。
肩
ショルダープレス→サイドレイズ
肩(三角筋)は、前部・中部・後部の3つの部位に分かれています。
肩でコンパウンドセットを行うときは、1種目目と2種目目でターゲットを変えるといいでしょう。
また、肩前部のプレス系の種目は高重量を扱いやすいので、1種目目にもってくるのがおすすめです。

上腕二頭筋
バーベルカール→インクラインダンベルカール
こちらもPOF法の考え方です。
ミッドレンジ系のバーベルカールで大きな刺激を与え、ストレッチ系のインクラインダンベルカールで筋繊維の破壊を狙っていきましょう。
上腕三頭筋
ナローベンチプレスorスカルクラッシャー→ケーブルプレスダウン
POF法を持ちたいときは
ナローベンチプレス(ミッドレンジ系)→ケーブルプレスダウン(コントラクト系)
がおすすめです。
また、上腕三頭筋をさらに細かく分けて部位別に鍛えたいときは
スカルクラッシャー(長頭)→ケーブルプレスダウン(短頭)
というように鍛え分けるのが効果的です。

まとめ
コンパウンドセットの考え方メリット・デメリット、おすすめ種目について紹介してきました。
強度、刺激の種類などの観点から考えると、コンパウンドセットは非常に効果的なトレーニングです。
うまく取り入れて、より楽しいトレーニングを行いましょう!
