フリーウエイト・マシン・自重などさまざまな種類がある筋トレですが、なかでも真っ先に思いつくのが
腕立て伏せ(プッシュアップ)
ではないでしょうか?
いつでもどこでも手軽にできて身近なトレーニングでもあるプッシュアップですが、これが実は意外と奥深い。
ということで本記事では
腕立て伏せのバリエーションやターゲットとなる筋肉の近い、うまく効かせるコツ
などについて紹介していきます!
自宅でトレーニングしている方、自重トレーニングを極めたい方はぜひ参考にしてみてください!

プッシュアップ

メイン | 大胸筋 |
サブ | 三角筋(前部)・前鋸筋・上腕三頭筋 |
1.肩幅よりもやや広めに手をつき、全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
2.軽く胸を張り、肩甲骨を寄せながら肘を曲げて上体を沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
4.肘は伸ばしきらず、軽く曲げた状態で折り返す
最も基本的なプッシュアップがこちら。
自重トレーニングとしても最も有名な種目のひとつで
- 肩関節の水平内転
- 肩甲骨の外転
- 肘関節の伸展
など、さまざまな関節の動きが関与するコンパウンド種目です。
トップポジション(上体を上げきった位置)で負荷が抜けやすいという弱点はありますが、その反面で大胸筋を大きくストレッチさせることができるというメリットも。
メインとなる大胸筋だけでなく、三角筋の前側や上腕三頭筋(腕の後ろの筋肉)、さらには前鋸筋(脇腹の筋肉)まで一気に鍛えることができます。
胸のトレーニングとしてはベンチプレスが有名ですが、実はベンチプレスでは前鋸筋は鍛えられません。
鍛えにくい前鋸筋まで同時に鍛えることができるプッシュアップは非常に効率的な種目といえますね。
うまく胸に効かせるポイントは
- 肩甲骨を寄せること
- 肘を伸ばしきらないこと
- 床を押すイメージを持つこと
の3つ。
身体を沈めながら肩甲骨を寄せることで大胸筋が最大限にストレッチし、筋肉への損傷をより大きくできます。
また、トップポジションでも肘を伸ばしきらないことで、全可動域で大胸筋から負荷が抜けないようにすることができます。
肘を伸ばす際は、身体を持ち上げるのではなく
床を押す
というイメージの方が力が発揮しやすく、バランスもとりやすくなります。
より可動域を大きくしたい場合は
プッシュアップバー
をつかうのも有効。
プッシュアップバーはかなり安価に手に入り、置き場所にも困らないので持っていて損はしないアイテムです。
ワイドプッシュアップ

メイン | 大胸筋 |
サブ | 三角筋(前部)・前鋸筋・上腕三頭筋 |
1.肩幅よりも広め(1.5~2倍程度)に手をつき、全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
2.軽く胸を張り、肩甲骨を寄せながら肘を曲げて上体を沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
手幅を少し変えるだけで負荷が変わってくるのが筋トレの面白いところ。
通常のプッシュアップよりも広めに手を置くことで、メインのターゲットである大胸筋への負荷をさらに引き出すのがワイドプッシュアップです。
大胸筋への負荷は大きくなる一方、三角筋や上腕三頭筋への負担は減るため、
部位別に鍛え分けて、狙った筋肉をより集中的に追い込んでいきたい
という方にはおすすめの種目です。
また、普通のプッシュアップに比べると可動域が狭くなってしまいますが、トップポジションでも負荷が抜けにくいという特徴も持っています。
ナロープッシュアップ

メイン | 三角筋(前部)・僧帽筋(下部)・前鋸筋(下部)・上腕三頭筋 |
サブ | 大胸筋(上部) |
1.肩幅程度の幅で手をつき、全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
2.肩甲骨を寄せずに、肘を曲げて上体を沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
ワイドプッシュアップとは反面、手幅を狭くしたのがナロープッシュアップ。
主要な動作が、肩関節の水平内転ではなく
肩関節の屈曲(腕を前に振る動き)
になるため、三角筋前部や上腕三頭筋、僧帽筋といった肩関節や肩甲骨まわりの大筋群を鍛えやすくなります。
自重で僧帽筋下部に刺激を与えられるトレーニングはあまりないので、けっこう重宝する種目です。
ナロープッシュアップでうまく効かせるためのポイントは
肩甲骨を寄せない
ということ。
上体を下げるときに肩甲骨を寄せてしまうと大胸筋の関与が大きくなり、普通のプッシュアップとの差別化ができなくなってしまいます。
脇を締めたまま肩甲骨を寄せずに肘を曲げていくことで、三角筋や上腕三頭筋をより狙いやすくなります。
ダイヤモンドプッシュアップ

メイン | 上腕三頭筋 |
サブ | 三角筋(前部)・大胸筋・前鋸筋 |
1.肩幅よりやや狭い幅で手を置き、親指と人差し指でひし形をつくる
2.全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
3.脇を開きながら肘を曲げ、上体を沈めていく
4.肘を伸ばす
ナロープッシュアップよりもさらに手幅を狭くしたのがダイヤモンドプッシュアップ。
上腕三頭筋(腕の後ろ側の筋肉)をメインに狙っていく種目です。
脇を開くことで肩関節の動きよりも肘関節の動きの方が優先的になり、上腕三頭筋へ大きな刺激を与えることが可能になります。
うまく上腕三頭筋を使うためのポイントは
上体を持ち上げるとき、真下ではなく少し内側に向かって力を加えること
です。
床に対して内側に摩擦力を加えるよイメージで身体を押しあげることで、スムーズに動作することができます。
ヒンズープッシュアップ

メイン | 大胸筋・上腕三頭筋 |
サブ | 三角筋(前部) |
1.肩幅の2倍程度に手をつく
2.お尻を突き上げ、腕からお尻までを一直線にキープする
3.上体を両手の間に沈め、そのまま身体を回すようにして元の位置に戻す
ヒンズープッシュアップは
ダイナミックな動きで行うプッシュアップ
といったイメージ。
フォームがかなり難しい種目ですが、うまく効かせるためのポイントは
- 目線を固定すること
- できるだけ大きく身体を回すイメージを持つこと
の2つです。
インクラインプッシュアップ

メイン | 大胸筋(やや下部) |
サブ | 三角筋(前部)・前鋸筋・上腕三頭筋 |
1.台やベンチに、.肩幅よりもやや広めに手をつく
2.全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
2.肩甲骨を寄せながら肘を曲げて上体を沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
台やベンチを使って上体の角度を変えたのがインクラインプッシュアップ。
重力がかかる可動域が狭くなり、大胸筋への負荷も少し小さくなるので
いきなり普通のプッシュアップはきつすぎてできない
というトレーニング初心者の方や女性にもおすすめの種目です。
また、角度を付けることで肩関節の動作方向や肘を伸ばす際の身体の軌道が変わり、大胸筋下部を狙いやすくなるのも特徴。
大胸筋下部が発達すると胸板の輪郭がはっきりし、メリハリのある身体になるので、ボディメイクの観点からも活用の幅の広い種目です。
デクラインプッシュアップ

メイン | 大胸筋(やや上部) |
サブ | 三角筋(前部)・前鋸筋・上腕三頭筋 |
1.台やベンチに足をのせ、.肩幅よりもやや広めに手をつく
2.全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
2.肩甲骨を寄せながら肘を曲げて上体を沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
インクラインプッシュアップとは反面、足の位置を高くして負荷を上げたのがデクラインプッシュアップ。
マンネリ化しやすい自重トレーニングですが、デクラインプッシュアップで刺激や負荷を変えることで停滞を避けることも可能です。
角度を付けることでターゲットが変わる点はインクラインプッシュアップと同じですね。
デクラインプッシュアップの場合は、大胸筋上部を鍛えやすくなります。
大胸筋上部は胸の迫力を出すためには必須、積極的に鍛えたい種目のひとつです。
パイクプッシュアップ

メイン | 三角筋(前部) |
サブ | 大胸筋(上部)・上腕三頭筋 |
1.肩幅よりもやや広めに手をつき、腰を大きく曲げて上体を前傾させる
2.肘を曲げて上体を斜め前に沈める
3.肘を伸ばして上体を戻す
上体を大きく曲げることで
腕を身体の上方に押し出す
という動作をメインにしたのがパイクプッシュアップ。
上体の軌道が大きく変わり、デクラインプッシュアップよりも肩の前部に負荷をかけやすくなります。
自重で三角筋前部メインにを鍛えられる数少ない種目ですが、フォームが難しいという弱点も。
肘を身体の後ろ側に持っていきすぎると肩関節への負担が大きくなり、ケガにつながってしまうので注意しましょう。
プランシェプッシュアップ

メイン | 僧帽筋(下部)・前鋸筋(下部)・三角筋(前部) |
サブ | 大胸筋(上部) |
1.肩幅程度に手をつく。この時、足の位置をなるべく前にし、手の位置を腰に近づける
2.肘を曲げ、腰と手を近づけるイメージで上体を沈める
僧帽筋や前鋸筋をターゲットにしているのがプランシェプッシュアップ。
手をつく位置を足に近づけることで
肩甲骨の上方回旋(腕を高く上げる動作)
が大きくなり、僧帽筋下部や前鋸筋下部への刺激が大きくなります。
慣れるまではフォームが少し難しくかもしれませんが、自重で僧帽筋や前鋸筋をメインターゲットにできるトレーニングは少ないので、余裕があれば挑戦したい種目です。
膝つきプッシュアップ

メイン | 大胸筋 |
サブ | 三角筋(前部)・前鋸筋・上腕三頭筋 |
1.肩幅よりもやや広めに手をつき、膝をついて膝と手で体重を支える
2.全身を一直線にして腕立て伏せの姿勢をつくる
3.軽く胸を張り、肩甲骨を寄せながら肘を曲げて上体を沈める
4.肘を伸ばして上体を戻す
腕立て伏せはきつすぎてできない!
という方におすすめなのが膝つきプッシュアップ。
膝で体重を支えることで可動域が狭くなり、重力の作用も軽減されるため、普通のプッシュアップよりも強度を下げることができます。
また、普通のプッシュアップができる方にとっても
トレーニングの最後の追い込みで使う
など、意外と活用の幅の広い種目です。
まとめ
プッシュアップのバリエーション 種類と、それぞれの特徴やフォーム、効かせるポイントについて紹介してきました。
家でのトレーニングがメインの方、自重でも筋肉を成長させたい方はぜひ参考にしてみてください!
以上、『【家トレ】自重でも効率的なプッシュアップ10選!【腕立て伏せを極める】』でした!
