小柄ながらも圧倒的なバルクと後頭部に蓄えられた長い三つ編みが特徴的なボディビルダー、カイ・グリーン。
大会だけでなくメディアにも積極的に出演し、近年のフィットネスブームの立役者でもある彼は、フィットネス界きっての人気者です。
そんな彼はいったいどんな人物なのでしょうか?
ということでこの記事では、そんなカイ・グリーンの生い立ちや大会成績、トレーニングや食事に至るまでを紹介していきます!

プロフィール
本名:カイ・グリーン(Kai Green) 愛称:The Predator,、Mr Getting It Done 出身:アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン 生年月日:1975年7月12日 身長:172,5cm 体重:120-124kg 胸囲:147cm 上腕:56cm ウエスト:84cm
経歴
生い立ち
ブルックリンに生まれたカイ・グリーンの幼少期は厳しいものでした。
6歳で孤児となった彼はその後10年以上の間、孤児受け入れ先の家庭で育ちます。
カイは家庭内でなんとなく疎外感を感じなかなか自分の居場所を見つけられません。
ただでさえ敏感な時期に複雑な事情が重なったことで、カイは次第に非行に走るようになっていきました。
次第に非行は増していき、家を追い出されそうになることもしばしばあったとか。
そんなカイの心の支えになっていたのがトレーニングでした。
度重なる鬱憤と有り余ったエネルギーの発散場所として、カイはジムに入り浸っていきました。
ボディビルの世界へ
トレーニングをつんでいったカイは、まだ子供とは思えないほどの筋肉を身に着けていきます。
そんな彼を見た中学の先生が
「ボディビルダーになったらどうだ?」
と声をかけたのがカイとボディビルの出会いでした。
実はこの先生、カイの複雑な事情を理解していて、カイが道を踏み外さないように進むべき方向を示してくれたのです。
この先生の言葉をきっかけに、カイはボディビルの世界へと足を踏み入れていきました。

学生時代・プロへ
ボディビルに向き合い始めてからの5年間、カイはありとあらゆる学生大会に参加します。
10代にしてずば抜けたバルクと仕上がりを持っていたカイは学生の中では頭一つ抜けた存在で、圧倒的な実力で優勝を積み重ねていきます。
19歳まで学生大会に出場し続け、向かうところ敵なしだったカイは、次第にプロの世界にも興味を持ちだします。
20代になり一般の大会に出場し始めたカイ。
学生時代は無敵を誇った彼も、一般の大会のレベルの高さには苦しめられます。
入賞することはあっても、なかなか優勝まではたどり着けません。
しかし、そこであきらめないのがカイ・グリーンという男。
1999年には「NPC Team Universe Championship」で優勝を果たし、念願だったプロ入りを成し遂げました。
プロ生活
プロ入り後すぐにデビューしたカイは初のプロ大会で4位という好成績を残します。
が、カイはこの結果にはまったく満足していません。
さらなる高みを目指すため、4年の間大会からは離れ、より完成された肉体を得るべくトレーニングに励みました。
復帰・挫折・初優勝
長いオフ期間ののち、カイは2005年にステージに復帰します。
が、結果は14位。
その後2年間で4つの大会に出場するも目立った成績は残せず、カイにとってはつらい時期が続きました。
それでも下を向かずに努力し続けたカイ。
2007年、32歳となった彼は「Shawn Ray Colorado Pro」に出場。
ついにプロ戦初優勝を飾りました。

覚醒
この優勝を機に、カイの才能は花開き始めます。
その後9つの大会に出場し6回の優勝を果たすなどの活躍ぶり。
2009年には、世界で最も権威ある大会のひとつである「Arnold Classic」で優勝を果たし、トップビルダーとしての地位を確固たるものにしていきます。
カイはその年にはMrオリンピアにも出場し、ジェイ・カトラー、フィル・ヒースなど名だたる選手たちと戦いあい、4位にまで上り詰めます。
その後も5年にわたりMrオリンピアに出場を続けたカイ。
宿敵フィル・ヒースに阻まれて優勝することこそかなわなかったものの、2位に3度入賞するなど華々しい活躍を見せ、ボディビル界を盛り上げました。
2015年を境にMrオリンピアには出場しなくなってしまいましたが、2015年~2017年の間に「Arnold Classic」を含む7つの大会で優勝しています。
その後は大会からは遠ざかっていますが、まだ年齢的にも十分トプビルダーとして戦えることもあり、2020年には復帰するのではないかと期待されています。
多岐にわたる才能
ボディビルダーとして間違いなく超一流なカイですが、その才能はボディビルだけにはとどまりません。
カイはアーティストとしてもその才能を遺憾なく発揮しています。
2011年には大きなキャンバスに向かって絵を描き始め、その年には個展を開くまでに至っています。
というのも、カイはボディビルを芸術ととらえており、
自分を表現するという点ではボディビルもアートも同じ
と考えているようです。
彼の自己表現の場はキャンバスだけではありません。
奇抜でおもしろいさまざまなコスチュームをまとったポージングをとることでも世界中のファンを魅了しています。
また、ドキュメンタリー映画「Generation Iron」に出演したり、自信のサプリメント会社を設立したりと、大会から離れてしまった後もさまざまな面で活躍を続けています。
大会成績
- 1994年 NGA American Nationals 1位
- 1996年 WNBF Pro Natural Worlds 1位
- 1997年 NPC Team Universe Championships 2位
- 1998年 NPC Team Universe Championships 3位
- 1999年 NPC World Amateur Championships 6位
- 1999年 NPC Team Universe Championships 1位
- 2005年 New York Pro 14位
- 2006年 Ironman Pro Invitational 20位
- 2006年 Shawn Ray Colorado Pro 14位
- 2007年 Keystone Pro 3位
- 2007年 Shawn Ray Colorado Pro 1位
- 2007年 New York Pro 6位
- 2008年 Arnold Classic 3位
- 2008年 New York Pro 1位
- 2009年 Australian Grand Prix Pro 1位
- 2009年 Arnold Classic 1位
- 2009年 Mr. Olympia 4位
- 2010年 Australian Grand Prix Pro 1位
- 2010年 Arnold Classic 1位
- 2010年 Mr. Olympia 7位
- 2011年 Mr. Olympia 3位
- 2011年 Sheru Classic 3位
- 2011年 New York Pro 1位
- 2012年 Sheru Classics 2位
- 2012年 Mr. Olympia 2位
- 2012年 Sheru Classic 2位
- 2013年 Arnold Classic 2位
- 2013年 Sheru Classics 3位
- 2013年 Eivls Prague Pro 1位
- 2013年 Mr. Olympia 2位
- 2014年 Mr. Olympia 2位
- 2016年 Arnold Classic 1位

トレーニング
カイはトレーニングにおいてウォームアップを非常に重要視しており、トレーニング前には15-20分のストレッチを欠かしません。
また、質のいいトレーニングには体幹も欠かせないと考えており、ウォーミングアップに腹筋のトレーニングを取り入れることもあるそうです。
基本的に高重量・低回数のトレーニングは行わず、『マインド・マッスル・コネクション』を意識した低重量高回数のトレーニングを大切にしています。
では、実際のカイのトレーニングメニューとルーティーンを見ていきましょう。
1日目:胸
アームプルオーバー | 12-20回3セット |
ディクラインベンチプレス | 12-20回3セット |
ベンチプレス | 12-20回3セット |
インクラインダンベルプレス | 12-20回3セット |
2日目:腕
コネクションカール | 10-12回4セット |
ダンベルカール | 10-12回4セット |
プリッチャ−カール | 10-12回4セット |
リバースカール | 10-12回4セット |
スタンディングアームカール | 10-12回4セット |
ダンベルキックバック | 12-20回3セット |
オーバーヘッドトライセップエクステンション | 12-20回3セット |
スタンディングトライセップエクステンション | 12-20回3セット |
ケーブルプレスダウン | 12-20回3セット |
3日目:脚
レッグエクステンション | 15-20回3セット |
スクワット | 15-20回3セット |
スタンディングカーフレイズ | 15-20回3セット |
レッグプレス | 15-20回3セット |
ハックスクワット | 15-20回3セット |
4日目:背中
プルアップ | 12-15回3セット |
ラットプルダウン | 12-15回3セット |
ダンベルロウ | 12-15回3セット |
シーテッドケーブルロウ | 12-15回3セット |
Tバーロウ | 12-15回3セット |
5日目:肩
アーノルドプレス | 12-15回3セット |
ビハインドネックプレス | 12-15回3セット |
ダンベルシュラッグ | 12-15回3セット |
ミリタリープレス | 12-15回3セット |
ラテラルレイズ | 12-15回3セット |
アップライトロー | 12-15回3セット |

食事
カイは体重1kgあたり3g以上のタンパク質をとることを心がけており、栄養はなるべく質の高いたんぱく源、複合炭水化物、良質な脂質かたとるようにしています。
増量期は1日5食、減量期に入ると1回の食事量を減らして食事の回数を増やしていきます。
また、チートミールも重要視しており、チートミールで心と身体のストレスを取り除くことがよりよい肉体につながると考えているようです。
実際の食事例は以下の通りです。
増量期
1食目 | 全粒粉パン2枚、卵白4個、チェダーチーズ |
2食目 | プロテイン、アーモンド1カップ、バニラアーモンド、ココナッツミルク ブルー3ベリー |
3食目 | ステーキ168g、オリーブオイル大さじ1杯きゅうり半分、トマト |
4食目 | とりむね肉168g、クルミ、キノア |
5食目 | マグロ140g、たら196g、ヤムイモ2個、バター大さじ1杯パルメザンチーズ大さじ2杯、アスパラガス4本 |
減量期
1食目 | ステーキ448g、卵白12個、白米 |
2食目 | 白米、とりむね肉2枚、七面鳥 |
3食目 | サーモン448g、サラダ、卵白6個 |
4食目 | ステーキ448g、さつまいも |
5食目 | オートミール、レーズン、サーモン448g、コーン |
6食目 | プロテイン、アボカド |
7食目 | ステーキ448g、ミックスベジタブル |

まとめ
フィットネス界の人気者、カイ・グリーンの経歴やトレーニング、食事について紹介してきました。
エンターテイナーとしても活躍し、フィットネスブームの立役者でもある彼の今後にも注目しましょう!
以上、『カイ・グリーンってどんな人?【プレデターの異名を持つ男】』でした!
