筋トレにつきものなのが、ケガ。
どれだけ安全に気を使いながらトレーニングしても、筋トレはしょせんは肉体ダメージを与える行為、筋トレとケガには切っても切れない関係があります。
が、だからと言って、ケガするのはしょうがないと割り切ってしまうのはナンセンス。
ケガの原因を知り、対策を講じることで、より安全に楽しい筋トレライフを送ることができます。
ということで本記事では
筋トレでケガをしてしまう原因と対策
について紹介していきます!

筋トレでケガする原因は?
筋トレでケガする原因は、正直に言うと人それぞれ。
個人個人で体質やトレーニング中のクセ、栄養様態などが違うので、一概にこれが原因とは言い切れないことが多いです。
が、僕の経験上、特に多い原因として考えられるのが
- 重量が重すぎる
- 関節や腱への負担が大きい
- 重力まかせに動作している
- 頑張りすぎている
- 関節の強度不足
という5つです。
実際に、僕は3年ほどジムのトレーナーとしてアルバイトを行ているのですが、お客様からケガの相談をされるのはだいたいこの5つのどれかに当てはまることが多いです。
では、一つずつ解説し、対策を考えていきます。

重量が重すぎる
原因
筋トレで効果を求めるためには、より重たい重量に挑戦していくことは大切です。
筋肉が成長していくための基本原理である漸進性過負荷の原則を達成するためにも、重量は可能な限り追求していきたいところ。
しかし、トレーニングはそんなに単純なものではなく、筋肉を成長させつつケガも避けるには
適切なウエイトを、対称筋でしっかりコントロールしながら適切に扱う
ということが必須。
当たり前のことのように感じますが、これをできている人は意外と少ないように感じます。
いくら高重量でも、ウエイトをただ単に振り回しているだようなトレーニングでは意味がない。
むしろ身体の使い方が悪くなったり、関節へ普通でない負担がかかったりしてケガの原因になってしまうわけです。
対策:フォームの練習をする・見栄を張らない
重量重すぎ問題の対策としては
- フォームの練習をする
- 見栄を張らない
という2つが考えられます。
まずはフォームについて。
言うまでもないことかもしれませんが、ウエイトをコントロールするために最も手っ取り早い方法は、適切なフォームを習得するということ。
筋トレはただ単にウエイトを上げ下げするものではなく、きっちりとフォームを取得し
- 軌道
- 角度
- 力を入れるタイミング
などを意識しつつ行うことで、トレーニング効果を高めつつ、ケガも避けることができます。
いきなり高重量に挑戦するのではなく、まずは少し軽めでフォームの確認から行うのがおすすめです。
次に、見栄を張らないということについて。
トレーニー、特に男性には、
高重量を扱えるとかっこいい
という思いは少なからずあると思います。
高重量でガンガントレーニングしている姿はかっこいいですよね。
かくいう僕もそんな思いを持つ一人で、ジムに行くとついつい重めの重量に挑戦し、見栄を張りたくなることもあります。
が、トレーニングにおいては、基本的に見栄を張ってもいいことは一つもありません。
基本的に周りでトレーニングしている人は自分のトレーニングに集中しているので、他人がどんなトレーニングしているかなんてみていません。
見ている相手がいないのに見栄を張ってケガのリスクを高めるのもおかしな話ですよね。
また、これは僕の主観なのですが
デカい人ほどひとつひとつの動作を丁寧に行っている
ように感じます。
見栄を張ってとにかく重量を振り回すのではなく、
自分に合った重量で、1レップ1レップの質を高めることを意識する
というのが、筋肉を成長させつつケガを避ける秘訣かもしれませんね。
関節や腱への負担が大きい
原因
これは、トレーニングによる身体への負担を、関節や腱で受け止めてしまっているパターン。
一言でいうと
フォームが悪い
ということですね。
筋トレは単なるウエイトの上下運動ではなく、
正確なフォームで、筋肉のみに負荷を与えていく
ということが重要。
しかし、これが意外と難しい。
特に高重量を扱いやすいフリーウエイトのコンパウンド種目では特に精密なフォームが要求されます。
例えば、ベンチプレスひとつを例にとってみても
- グリップの種類や幅
- 手首と前腕の角度
- 胸や背中の反り方
- バーベルの軌道
- 足を置く位置
- 動作中の力の入れ方や呼吸
など、注意すべき点は無限にあります。
いろんなポイントを意識して正確なフォームを心がけていないと、筋肉ではなく関節や腱に負担がかかってしまう可能性も大きくなります。
負荷を与えると回復して強くなる筋肉とは違い、関節や腱は基本的に消耗品。
疲弊して弱った関節や腱はそっくりそのままケガの原因になってしまうので、できることなら負担は最小限に抑えたいところです。
対策:徹底的にフォームにこだわる
フォームが悪いことがケガの原因になっているのであれば、フォームを見直すのが最短の解決策。
とはいえ正確なフォームは一朝一夕で身に着けられるのもではないので
トレーニング頻度を増やして練習する回数を増やす
というのがおすすめ。
週に1回だけベンチプレスを行うより、週に2~3回ベンチプレスの練習をした方が上達が早そうなのは感覚でもわかりますね。
ちなみに、この週に2~3回というトレーニング頻度は、効率よく筋肥大を引き起こすうえでも有効になってくる頻度なのでおすすめ。
特にフォームが大切になってくるBIG3(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)に関しては、以下の記事で詳しく解説しています!
重力まかせに動作している
原因
3つめのケガの原因は
ウエイトを下ろすとき(ネガティブ動作)に力を入れず、重力にまかせてウエイトを動かしている
というパターン。
これもけっこうよく見かけます。
ベンチプレスで勢いよくバーベルを下ろし、胸でバウンドさせる
みたいなイメージですね。
パッと見で分かりますが、これはめちゃめちゃ危険。
急な動作は関節への負担も大きくなりますし、下手するとそのままつぶれてしまって大けがにつながる可能性もあります。
また、ネガティブ動作への意識が薄れるのは、トレーニングの効率という面でもよくありません。
動作が速いとどうしても反動を使ってしまうため対称筋への負荷と意識は小さくなってしまいます。
さらに、実は筋肥大のきっかけのひとつはトレーニングの刺激による筋繊維の微細な損傷なのですが、実は筋繊維はポジティブ動作(ウエイトを上げる動作)よりもネガティブ動作(ウエイトを下ろす動作)のときに傷つきやすいんです。
ネガティブ動作で力を入れていないと筋繊維の損傷も起こりにくく、筋肥大の効率は悪くなってしいます。
重力まかせにウエイトを動かすのは
- 安全
- 効率
という2つの面でデメリットになるわけです。
対策:ネガティブ動作への意識を高める
これも解決策はいたってシンプルで
ウエイトを下ろす動作を、対象筋のストレッチを意識しながらゆっくり行う
というのが唯一の方法です。
普段よりも少し重量を落として
対称筋だけで負荷を受け止めるようにウエイトを下ろす
というイメージで練習していくといいでしょう。

頑張りすぎ
原因
トレーニングを頑張りすぎてオーバートレーニングに陥ってしまっているのがこのパターン。
真面目にトレーニングしている人ほど落ちりやすいオーバートレーニングですが、その原因としては
- トレーニングボリューム(重量×レップ数×セット数)が多すぎる
- トレーニング頻度が高すぎる
- 回復が追い付いていない
などが考えられます。
要は頑張りすぎているわけです。
オーバーワークの状態でのトレーニングでは、筋肉が回復しきっていない分関節への負担も大きくなってしまいます。
また、集中力もかけてしまいがちなので、思わぬ事故からケガにつながる可能性も。
コンディションが悪い状態でのトレーニングは効率も悪くケガのリスクも高まり、基本的にいいことはなく、オーバートレーニングは避けるが吉です。
オーバートレーニングに関して詳しくはこちら!
対策:トレーニング計画を見直す
オーバーワークによるケガを回避するには、そもそもオーバーワークに陥らないように計画を立てておくのが最も有効。
- 使用重量やレップ数
- 1回のトレーニングでの追い込み具合
- 各部位のトレーニングの週のセット数
- トレーニング頻度
などを見直していくといいでしょう。
また、意識的に疲れる前に休むようにしておくのも大切。
筋トレが好きでトレーニングがライフワークの一部になっている人には「毎日ジムに行かないと気が済まない」という方もいるとは思いますが、個人的には少なくても週に1~2日は完全にオフにした方がいいと思います。
オフをとるときには、全く身体を動かさないのではなく、軽く運動することで回復力を高めるアクティブレストがおすすめです。

関節の強度不足
原因
そもそもの話、筋トレというのは肉体に異常な負荷をかけていく行為。
そのため、いくら正確なフォームを習得しても、関節への負担をゼロにすることは限りなく不可能に近いです。
特にフォームを習得できていない初心者のうちには関節へかかる負荷も大きくなり、
そもそもウエイトの重さに耐えきれずに関節が悲鳴を上げている
のがケガの原因になっている可能性も否定できません。
また、フォームを習得していても、使用重量が伸びれば関節への負担も大きくなっていくので
いかに関節を保護していくか
は、筋トレを続けていくうえでは永遠の課題になってきます。
対策:トレーニングギアを活用する
フォームを改善してもある程度の関節への負担は残ります。
その負担を可能な限り小さくするためにも、各種トレーニングギアは必須。
- リストラップ
- パワーグリップ
- トレーニングベルト
などがあれば、余計な力みや関節への負担はかなり小さくすることができます。
トレーニング初心者の方の中には「初心者のうちからベルトやリストバンドを付けるのは恥ずかしい」と感じる方もいるかもしれませんが、トレーニングギアはフォームが固まっていない初心者にこそ大きな力を発揮してくれます。
積極的に活用していくのがおすすめです。
まとめ
筋トレでケガする5つの原因とその対策について紹介してきました。
どれも基本的なもので意外性には欠けますが、裏を返せば
基本さえ押さえていれば、ケガ無く安全にトレーニングを楽しめる
ということ。
ケガなんてしてもいいことは一つもありません。
安全に注意しつつ、楽しいワークアウトライフを送りましょう!
以上、『筋トレでケガする原因はこれ!【5つの原因と対策を紹介】』でした!
