- インナーマッスル
- アウターマッスル
という言葉は最近ではかなり有名になり、トレーニングやスポーツの現場でもよく耳にするようになってきましたね。
ですが、その反面、
- スタビリティ
- モビリティ
という言葉は耳になじみのない方も多いのではないでしょうか?
実はこのスタビリティとモビリティ、知っていると筋トレ応用し、より効率のいいトレーニングに生かすこともできるんです!
ということでこの記事では、スタビリティとモビリティに関する知識と、その知識の筋トレへの応用の仕方について紹介していきます!

インナーマッスル・アウターマッスルとは?
インナーマッスル(深層筋)とは、身体の深層に位置している筋肉のこと。
反対にアウターマッスル(表層筋)とは、身体の表面に位置している筋肉のことです。
読んで字のごとくですね。
要するに、インナーマッスルとアウターマッスルは、シンプルに筋肉が身体の表面にあるのか深部にあるのかで分けただけだということ。
インナーマッスル、アウターマッスルは、筋肉のはたらきで分類でした言葉ではなく、筋肉の位置で分類した言葉なわけです。

スタビリティ・モビリティとは?
インナーマッスルやアウターマッスルが筋肉の位置を表している一方、
スタビリティ・モビリティ
は筋肉の役割によって分類した言葉です。
筋肉は種類によってさまざまな役割を持っています。
その役割のうち
骨格筋を支持して身体を安定させるというものをスタビリティ
関節を動かして身体を動かすというものをスタビリティ
といいます。
なぜ筋肉によってスタビリティやモビリティのような役割の違いが生まれるのかというと
それぞれの筋肉によってモーメントアームが違うから
です。
では、このモーメントアームとはいったい何者なのか、少し詳しく見ていきましょう。

モーメントアームと筋肉の役割
モーメントアームとは、一言でいうと、
筋肉が骨のどの位置にくっついているか
を表したもの。
筋肉の仕事は、収縮したりストレッチしたしすることで骨の位置関係を変え、身体を動かすこと。
そのために筋肉は、関節をまたいで骨格筋に付着しています。
この筋肉が付着している位置の違いによってモーメントアーム(テコのレバーの長さ)が変わり、筋肉の役割の違いが生まれるわけです。
関節の近くに筋肉が付着していると、モーメントアームが短く(テコのレバーが短く)なります。
そのため、関節を動かす力は弱くなる一方、関節の支点を固定して関節を安定させる働きが大きくなり、その筋肉はスタビリティの大きな筋肉に分類されます。
反対に関節の遠くに筋肉が付着している場合はモーメントアームが長く(テコのレバーが長く)なるため、関節を動かす役割が大きくなるのです。
まとめると、以下のような感じ
筋肉の付着している位置 | モーメントアーム | 役割 |
関節に近い | 短い | 関節を固定する(スタビリティ) |
関節から遠い | 長い | 関節を動かす(モビリティ) |
こんな感じで、モーメントアームの違いによって筋肉の役割が変わり、スタビリティ・モビリティという分類が生まれるわけですね。
一般的な筋肉のイメージとして
- インナーマッスルは身体を安定させる(スタビリティ)
- アウターマッスルは関節を動かす(モビリティ)
というイメージがあるかもしれません。
このイメージは全体的な傾向としては正しく、大体の筋肉では当てはまるのですが、実は例外もあるんです。
例えば大腰筋という筋肉はおなかの奥の方に位置しているインナーマッスルですが、股関節に対するモーメントアームが長く、モビリティの役割が大きくなります。
また、棘下筋という肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉は、身体の表層に位置し背中のぼこぼこ感の原因にもなる筋肉ですが、役割としてはスタビリティが大きくなります。

筋トレへの応用の仕方は?
では、この知識を筋トレに生かすにはどうしたらいいのでしょうか。
その答えは
筋肉の役割を理解し、その役割を意識しながらトレーニングする
ということです。
そのためには、インナーマッスル・アウターマッスルの知識よりもスタビリティ・モビリティの知識が大切になってきます。
インナーマッスル・アウターマッスルという分類の仕方は、直感的に理解しやすく、たしかにとっつきやすくはあります。
が、インナーマッスル・アウターマッスルはあくまでも筋肉の位置を表す言葉、機能を表すものではないため、実はトレーニングへの応用はしにくいんです。
一方スタビリティ・モビリティは筋肉を機能で分類したものなので、より直接的にトレーニングに活かすことが可能。
今鍛えている筋肉がスタビリティなのかモビリティなのか
を考え、
- スタビリティなら姿勢を維持したり、身体を固定したりすることに注意する
- モビリティなら可動域を広く摂り、より大きな動きをつくる
というような意識を持つことでトレーニングの質を上げることができるわけです。

まとめ
筋肉の位置や役割による分類の仕方と、その筋トレへの応用方法について紹介してきました。
スタビリティやモビリティはなじみの薄い言葉かもしれませんが、知っているのと知らないのとでは大違いです。
ぜひこの知識を筋トレに活用してみてください!
以上、『【筋トレ雑学】インナーマッスルとアウターマッスル・スタビリティとモビリティについて』でした!
