筋トレになじみの薄い方の中には
筋トレは毎日全身を鍛える
というイメージを持っている方も多いかもしれませんね。
しかし、筋トレをしている人なら
全身の部位をいくつかに分割して、日によって鍛え分ける
という分割法は、なかば常識のようになっているのではないでしょうか?
ジムでよく耳にする
- 今日は胸の日
- 脚の日はきつい
なんて会話も分割法ですね。
とはいえ筋トレ初心者の方にとっては
どんな分割でどんなトレーニングルーティーンを組めばいいのか
は意外と悩みどころかと思います。
ということでこの記事では
分割法の種類やルーティーンの組み方、効果を高めるためのちょっとしたポイント
などを紹介していきます!

分割法とは?
分割法とは、その名の通り、
全身をいくつかの筋肉に分割して、日によって鍛える部位を変えていく
という筋トレへのアプローチです。
実は1950年ごろまでは分割法を取り入れている人はほとんどおらず、ハードなトレーニングを行っているボディビルダーの中でも
全身法(1日に全身を一気に鍛える方法)
が主流でした。
しかし全身法では、1回のトレーニングの種目が多くなり、時間がかかる上に体力的にもかなりハード。
そこで台頭してきたのが分割法です。
トレーニング時間を短くすることができ、対称とする筋肉を追い込みやすい
という特徴をもつ分割法は1960年台から用いられはじめ、現在も多くのトレーニーが愛用している主流な筋トレ方法です。
全身法について詳しくはこちら!
分割法の種類
全身の部位の分け方によってほとんど無限に近い組合せのある分割法ですが、ここでは基本的な分割を紹介していきます。
2分割
全身の部位をふたつに分ける方法です。
小さな筋肉を追い込み切るテクニックを身に着けていない初心者の方や、週に2~3回程度しか筋トレできない方におすすめの分割法です。
具体的な分け方は以下のような感じ。
上半身・下半身
- 上半身の日(胸・背中・腕・脚)
- 下半身の日(脚)
で分ける方法です。
背中のトレーニングとしてデッドリフトを行いたい場合は、デッドリフトではハムストリングなどの下半身の筋肉もかなり使うので
- 上半身の日(胸・腕・肩)
- 下半身の日(脚・背中)
というような分割にするのもアリです。
プッシュ・プル
- プッシュデイ(胸・肩前部・上腕三頭筋・大腿四頭筋)
- プルデイ(背中・肩後部・上腕二頭筋・ハムストリング)
という分割。
全身を
- 押す筋肉
- 引く筋肉
に分けているのでプッシュ・プルという名前なわけです。

3分割
週に4~6回トレーニングできる人や、ある程度狙った筋肉を追い込む意識ができるようになってきた人におすすめなのが3分割のトレーニング。
具体的な分け方は以下のような感じ。
上半身の大筋群・上半身の小筋群・下半身
- 上半身の大筋群の日(胸・背中)
- 上半身の小筋群の日(肩・腕)
- 下半身の日(脚)
という分け方。
胸と背中、上腕二頭筋と上腕三頭筋、大腿四頭筋とハムストリング
などの拮抗筋を同じ日に鍛えるので、スーパーセットなどのテクニックも併用しやすくなります。
プッシュ・プル・レッグ
個人的におすすめなのがこの「プッシュ・プル・レッグ」の分割法です。
- プッシュデイ(胸・肩前部・上腕三頭筋)
- プルデイ(背中・肩後部・上腕二頭筋)
- レッグデイ(脚)
という分け方。
それぞれの日にベンチプレス・デッドリフト・スクワットをメイン種目にもってきたい方にはかなりおすすめです。

4分割
週に5回以上トレーニングできる中級者~上級者向けなのが4分割法。
4分割ともなるとさらに組合せ方は増え、個人のお好みでカスタマイズの方法も多種多様になりますが、個人的には
- プッシュデイ(胸・上腕三頭筋)
- プルデイ(背中・上腕二頭筋)
- ショルダーデイ(肩)
- レッグデイ(脚)
という分割方法がおすすめです。

5分割
5分割法は、海外ではバカにしたニュアンスを込めて
Bro Split
と呼ばれることも多く、基本的にはドーピング薬を使用しているステロイドユーザーに効果的な分割法です。
ステロイドを使用していないナチュラルトレーニー、特にトレーニング初心者にとっては、お世辞にも効率のいい鍛え方とは言えません。
が、
最低でも週に5回以上トレーニングできて、狙った部位を徹底的に追い込めるテクニックとメンタルを併せ持つ上級者の方
には5分割法もアリです。
基本的な分け方は
- 胸の日
- 背中の日
- 腕の日
- 肩の日
- 脚の日
といった感じです。

分割・ルーティーンの組み方
とまあこんな風に、分割法といってもその分け方や組合せ方は多岐にわたります。
一概に「この分割とこのルーティーンが最適」というものはなく、自分の生活リズムやトレーニング経験に合わせて最適な分割・ルーティーンを探していくことが大切です。
そこで、分割法を用いたルーティーンをつくるときに注意してほしいのが
筋トレの頻度
です。
筋トレというのは、つまるところは筋肥大を引き起こすためのスイッチのようなもの。
筋トレで筋肉を傷つけると、その後一定時間は筋タンパク合成が活発になり、筋肉が成長しやすくなります。
が、一定時間が過ぎると筋タンパク合成レベルは通常時と同レベルにまで低下します。
要は
一度回復しきった筋肉を、何日もトレーニングせずに放置しておくの筋トレの効率的にははもったいない
ということ。
そこで
回復しきった筋肉はなるべくすぐに鍛える
というのが、効率を高めるためのセオリーになってくるわけです。
一般的に、一度トレーニングした筋肉が回復するまでにかかる時間は以下のような感じ。
72時間 | 広背筋 脊柱起立筋 大腿四頭筋 ハムストリングス |
48時間 | 大胸筋 大殿筋 上腕二頭筋 上腕三頭筋 三角筋 僧帽筋 |
24時間 | 腹筋 カーフ(ふくらはぎ) 前腕 |
例えば大胸筋を例にとって考えましょう。
大胸筋の回復にかかる時間は約2日(48時間)。
つまり、大胸筋を成長させるには
1日鍛える
↓
2日程度休める
↓
ふたたび鍛える
というのが最も効果的なわけです。
(※回復力やトレーニングの強度には個人差があるので、あくまでも目安です)
このように考えていくと、ほとんどの筋肉は
週に2~3回(2~3日に1回)トレーニングするのが最も効果的
ということになります。
これが、5分割(Bro Split)がおすすめできない理由でもあります。
個人的には
自分の生活リズムに合わせて、各部位週に2~3回トレーニングできるように分割する
というのがおすすめです。

分割法のポイント
トレーニングの順序を考える
分割法を実践するうえでポイントになってくるのがトレーニングの順番です。
基本的には、高重量を扱えて補助的に関与する筋肉も多くなりがちな大筋群のトレーニングから始めるのが一般的。
例えば、プッシュ・プル・レッグの3分割なら
プッシュデイ:胸→肩前部→上腕三頭筋
プルデイ:背中→肩後部→上腕二頭筋
レッグデイ:大腿四頭筋→ハムストリング→カーフ
といった感じですね。
ただ、
- 特に優先して鍛えたい部位
- 弱点部位
などがある場合には、その部位からきたえていくのもOKです。
初心者は分割は大まかに
トレーニング経験を積み、高重量を扱えたり、鍛えている筋肉への意識がたかくなったりすると
1回のトレーニングで狙った部位を徹底的に追い込む
ということが可能になってきます。
が、トレーニングを始めたばかりの人がそこまで追い込むのは難しい。
そもそも使用重量が足りずにトレーニングの強度不足になってしまったり、反対に限界まで追い込もうと頑張りすぎてフォームが崩れ、ケガにつながる可能性もあります。
そのため、トレーニング初心者の方には
分割を大まかにして、各トレーニングの頻度を増やす
というのがおすすめです。
頻度を増やせばトレーニングの動作そのものも上達しやすくなり、フォームの習得、さらにはトレーニングの質の底上げやケガの回避にもつながります。
- 5分割で週に1回のベンチプレス
- 2分割で週に3回のベンチプレス
では、週に3回行った方が上達も早くなりそうですよね。
個人的には、トレーニング初心者の方には
全身法または2分割(最大でも3分割)で、各部位最低でも週に2回トレーニングする
というのが効率的だと考えています。

まとめ
トレーニングの基本的な考え方、分割法について紹介してきました。
分割法を使いこなせば、筋トレの効率を高めつつ、自分のライフスタイルにあったトレーニングルーティーンを組むことができます。
この記事が分割の仕方やルーティーンの組み方で悩んでおられる方の助けになれば幸いです!
具体的なトレーニングメニューの組み方についてはこちらの記事でも解説しています!
以上、『【筋トレ初心者向け】分割法のすべて【おすすめルーティーンも解説!】』でした!
