近年のフィットネスブームの影響もあり、現在のフィットネス界ではボディビル系のコンテストにも大きな注目が集まっています。
有名なものとしては
- 古くからコンスタントな人気を誇るボディビル
- 日本でも大人気でハイレベルな(メンズ)フィジーク
などがありますね。
そんな2競技に迫る勢いを誇っているのが、クラシックフィジークというカテゴリー。
まだ日本ではなじみの薄いカテゴリーではありますが、世界中で多くの人の心をつかんでいる人気急上昇中の競技です。
そんなクラシックフィジークとはいったいどんな競技なのでしょうか?
ということで本記事では、クラシックフィジークの特徴について、ボディビルやフィジークとの違いを考えながら紹介していきます!

クラシックフィジークとは?
鍛え上げた肉体を競い合う競技の原点は、ボディビル。
ですが、一言にボディビルといっても、評価項目や理想とされる身体は常に同じわけではなく、自体とともに理想のボディビル像も大きく変わってきました。
1950~60年ごろには
- アーノルド・シュワルツェネッガー
- リーヘイニー
などの美しくてバランスのとれた均整な身体が高い評価を受けていましたが、のちに
- ドリアン・イェーツ
- ロニー・コールマン
- ジェイ・カトラー
- フィル・ヒース
など、圧倒的な筋量と迫力を持つ、いわゆるマスモンスターと呼ばれるタイプの選手が台頭してきました。
が、中には
マスモンスターではなく、50~60年台のボディビルダーのような、均整な美しい身体を目指したい
というボディビルダーも多く存在します。
そこで評価のトレンドの移り変わりに対抗して生まれたのがクラシックフィジークというカテゴリーです。
ボディビル | 筋量と迫力を追求する |
クラシックフィジーク | 美しさやバランスを追求する |
というように理想とする身体によってカテゴリーを分け、マスモンスター化するボディビルとの差別化を図ったのがクラシックフィジークなわけです。
鍛え上げた肉体を競い合うという点では同じですが、それぞれで理想とする肉体像が全く違っているわけですね。
ちなみにクラシックフィジークが正式に競技として認められたのは2005年のIFBB会議、Mrオリンピアに登場したのは2016年。
ボディビルやフィジークと比べてもかなり新しい競技ですね。

クラシックフィジークとボディビル・メンズフィジークの違いは?
では、クラシックフィジークとボディビル・フィジーク(メンズフィジーク)の具体的な違いについて、
- 筋肉量
- 評価項目
- コスチューム
- 規定ポーズ
という4ポイントから見ていきましょう。
筋肉量
ボディビルは、筋肉量や筋肉のカット(溝の深さやキレ)が重視され、丸まるとした迫力ある身体が評価されるカテゴリー。
全体的なバランスが保てている限り、基本的には筋肉がデカければデカいほど有利です。
メンズフィジークは、筋量よりもバランスや雰囲気を重視したカテゴリー。
「ビーチが似合うかっこいい男」というのがメンズフィジークのコンセプトなので、とにかくデカい身体よりも
ウエストが細くて肩幅が広い逆三角形の身体
が評価されます。
筋肉量がありすぎても、かえって減点の対象になってしまうことも。
クラシックフィジークは、ボディビルとメンズフィジークの中間のような特徴ですね。
肩・胸・背中・脚などにバルクが求められる一方で全体的なバランスを重視し、均整のとれた美しい身体が最も評価されます。
また、ボディビル、メンズフィジークとの大きな違いとして
身長別に体重制限が設けられている
というのもクラシックフィジークの特徴のひとつ。
限られた体重のなかでいかにデカく、バランスよく見せるかが大切になってくるわけですね。
まとめると、筋肉量に関しては
ボディビル>クラシックフィジーク>メンズフィジーク
という感じですね。

評価ポイント
ボディビルでは、バランスを保てている限り、基本的にデカければデカいほど評価されます。
評価される部位も他のカテゴリーと比べて圧倒的に多く脚やケツのラインまでくまなく評価対象に入ります。
一方メンズフィジークでは、全体的なバランスが最も大切。
逆三角形の、いわゆる「誰が見てもかっこいい身体」が評価されるので、デカければいいというわけではないわけです。
コスチュームのデザインや髪形、ステージ上での雰囲気、オーラなどが評価項目にあるのもメンズフィジークの特徴ですね。
また、メンズフィジークでは、脚(太もも)が評価されないというのが大きな特徴です。
クラシックフィジークは、印象としては
バランス重視のボディビル
という感じ。
体重制限があることからも分かりますが、デカければデカいほどいいというわけではなく、限られた筋量でいかに美しく見せるかが大切になってきます。
また、評価される部位の特徴としては
脚は見られるがケツは見られない
ということが挙げられます。
ボディビルのようにケツにカットを出す必要はありませんが、脚の筋量や仕上がりは重要な評価項目です。

コスチューム
ステージ上で身にまとうコスチュームも各カテゴリーで異なります。
ボディビルダーが大会で使用するコスチュームは、ブーメランパンツ、通称ビルパンですね。
脚(太もも)やケツまでくまなく評価対象になるので、コスチュームの面積は限界まで小さくなっています。
メンズフィジークで使われるのは、サーフパンツというもの。
脚が評価項目に入っていないので、ふとももまで隠れるサーフパンツが使われるわけです。
ちなみに、メンズフィジークではサーフパンツのデザインも評価対象です。
一方のクラシックフィジークで使われるコスチュームは、トランクス。
脚は評価しますがケツは見られないので、脚を見せつつケツを隠せるトランクスが使われているわけです。
基本的には黒系のシンプルなデザインのものが推奨され、派手はものや大きなロゴが入っているものなどは禁止。
メンズフィジークとは違って、コスチュームのデザインは評価対象には入っていません。

規定ポーズ
ボディビルの規定ポーズは
- フロントダブルバイセプス
- フロントラットスプレット
- サイドチェスト
- バックダブルバイセプス
- バックラットスプレット
- サイドトライセプス
- アブドミナル&サイ
- モストマスキュラー
の8つ。
ポージングの種類も多く、見せ方ひとつでかなり印象が変わってきます。
メンズフィジークでは
- フロントポーズ
- サイドポーズ(左右)
- バックポーズ
の4種類だけです。
一方、クラシックフィジークで評価されるポージングは
- フロントダブルバイセプス
- サイドチェスト
- バックダブルバイセプス
- アブドミナル&サイ
の4つに、自分の好きなポージング1種類を加えた計5つ。
クラシックフィジークでは全体的なバランスやウエストの細さ、腹筋まわりの仕上がりが大きな評価項目になってくるので、おなか回りが隠れやすいモストマスキュラーは規定ポーズからは外されています。

クラシックフィジークの注目選手
では、近年人気急上昇中のクラシックフィジークのなかでも、さらに注目度の高い選手について紹介していきます!
クリス・バムステッド
クリス・バムステッドは2019、2020年のMrオリンピア王者。
まだ20代という若さにも関わらず圧倒的な完成度の肉体を誇り、まさにクラシカルな美しさを体現したような肉体た特徴です。
クリス・バムステッドについて詳しくはこちら!
ブリオン・アンスリー
ブリオン・アンスリーはクリス・バムステッドの前のオリンピアチャンピオン。
2017、2018年に2連覇を成し遂げた選手です。
まだクラシックフィジークが世に出て間もないころに絶対王者として君臨したこともあり、ブリオンの身体は「これぞクラシックフィジーク」というひとつの基準になっています。
ブリオン・アンスリーについて詳しくはこちら!
テレンス・ラフィン
最近まではそこまで知名度の注目度もなかった選手ですが、2020年のMrオリンピアで2位にランクインして一気に台頭してきたのがテレンス・ラフィン。
比較的小柄な体格ながら、非常にバランスのとれた美しい身体をしています。
テレンス・ラフィンについて詳しくはこちら!
まとめ
近年人気急上昇中のクラシックフィジークについて、ボディビルやメンズフィジークとの違いを見ながら解説してきました!
まさに人間の持つ美しさを体現したようなカテゴリーがクラシックフィジーク。
ボディビルやメンズフィジークとの違いを理解しつつ観戦すると、クラシックフィジークをより楽しめると思います!
以上、『人気急上昇中のクラシックフィジークって何??【ボディビル・フィジークとの違いとは】』でした!
