トレーニングの目的は、筋肉に刺激を与えて成長させること。
とはいえ、トレーニング歴が長くなってくると、筋肉も次第に刺激に慣れていくため、成長スピードが遅くなったり、停滞期に陥ったりしてしまうことも。
これを避けるためには
- トレーニングプログラムを工夫する
- 追い込むためのテクニックを活用する
などの方法がありますが、中でも有名で長期的に効果を発揮する方法として
ピリオダイゼーション
というものがあります。
今回の記事では、そんなピリオダイゼーションの1種、マンデルブロトレーニングについて紹介してきます!
長期的に筋肉を発達させていくうえでは大きな効果を発揮するマンデルブロトレーニング。
その実態に迫っていきましょう!

マンデルブロトレーニングとは?
「マンデルブロ」というのはなかなか耳慣れない単語だと思います。
この元にあるのは、ブノワ・マンデルブロという数学者が見つけたという「マンデルブロ集合」。
これは、簡単にいうと
一見バラバラに見えるが、実は系統的に配置されている点の集合
のようなもの。
マンデルブロトレーニングでは、メニューを固定せずに毎回重量やレップ数、セット数を変化させるため、一見でたらめで適当なプログラムに見えます。
が、実はその裏にはしっかりとした目的があり、1回1回のトレーニングが系統立てて組み立てられています。
つまりマンデルブロトレーニングとは
一見まったくことなる内容だが、全体的に見ると系統的に組み立てられているトレーニングプログラム
ということです。
毎回トレーニングの内容を変えていくので、非線形ピリオダイゼーションの1種ですね。
ピリオダイゼーションについて詳しくはこちら!

マンデルブロトレーニングの内容
では、マンデルブロトレーニングの具体的な内容に移っていきましょう。
マンデルブロトレーニングでは、毎回のトレーニングを扱う重量やレップ数によって
- 中重量
- 高重量
- 低重量
という3つのフェーズに分けて、
中重量
↓
高重量
↓
低重量
という順番でトレーニングを回していく方法です。
それぞれのフェーズ具体的な内容は以下のような感じ。

中重量
中重量を扱うフェーズでは、1RMの75~80%の重量を扱い、8~12レップを目安に行っていきます。
セット数は2~4セットくらい、インターバルは2~3分くらいと、筋肥大を狙ううえではオーソドックスな設定にします。
一般的にボディビルや筋肥大に有効とされるトレーニング内容ですね。
このフェーズでは、主に
- 筋肉に対する物理的ストレス
- 筋肥大
- 次の高重量フェーズへ向けた準備
が目的になります。
中重量フェーズだけでも筋肥大効果は期待できますが、さらに筋肉の刺激に対す慣れを防ぎ、停滞を回避するために、高重量・低重量のフェーズと組み合わせていきます。
高重量
MAX重量に近い1RMの90~95%の重量を扱っていくのが高重量フェーズ。
レップ数の目標は3~5レップくらい。
強い筋出力を発揮することによって筋肉に大きな物理的ストレス与えていくのが目的です。
また、高重量低レップのトレーニングは最大筋力の向上にもつながります。
セット数は3~4セット。
毎セット高重量を正確にコントロールするために、インターバルは長めに設定してしっかり筋肉と神経系を回復させるようにしましょう。
3~5分くらいが目安です。
中重量フェーズよりもレップ数が減ってしまう文、若干セット数を増やしてボリューム(重量×レップ数×セット数)を調節していきます。
低重量
最後の低重量フェーズでは、1RMの35~40%、かなり軽い重量を扱っていきます。
その分レップ数とセット数を増やしてボリュームを確保します。
中・高重量が物理的ストレス狙いだったのに対し、低重量フェーズは化学的ストレス狙い。
ハイレップでトレーニングを行うことでパンプアップを誘発し、筋肉内の代謝環境の悪化による筋肥大の促進を狙っていきます。
インターバルも比較的短めにして追い込んでいきます。
また、重量を下げることによって関節や腱、神経系への負担を軽減し、2週目以降のフェーズに向けて回復と調整を行う役割も果たしています。

これらをまとめると、以下の表のような感じになります。
フェーズ | 重量 | レップ数 | セット数 | インターバル | 目的 |
中重量 | 75~80%1RM | 8~12 | 2~4 | 2~3分 | 物理的ストレス 筋肥大 高重量への準備 |
高重量 | 90~95%1RM | 3~5 | 3~4 | 3~5分 | 物理的ストレス 筋力向上 |
低重量 | 35~40%1RM | 20~30 | 3~5 | 1~2分 | 化学的ストレス 筋持久力向上 関節や神経系の回復 |

マンデルブロトレーニングのポイント
では、マンデルブロトレーニングを行ううえで注意したいポイントについて紹介していきます!
先にすべて挙げてしまうと、以下のような感じ。
- 各フェーズの順番にはこだわる
- 重量は落とさない
では、それぞれ解説していきます。
各フェーズの順番にはこだわる
安全かつ効率的にマンデルブロトレーニングを行うには、各フェーズの順番が大切になってきます。
最初はどのフェーズから始めてもいいですが、
中重量→高重量→低重量→中重量→・・・
という順番にはこだわってください。
高重量の前に低重量を持ってきたりすると、神経伝達がうまくいかずに不調の原因になることがあります。
また、低重量フェーズを挟まないと回復が間に合わなくなってケガやオーバーワークにつながることも。
各フェーズの質を高めつつ安全にトレーニングを行うために、中重量→高重量→低重量の順番にはこだわりましょう。
オーバートレーニングについて詳しくはこちら!
重量は落とさない
マンデルブロトレーニングの重量設定は、一見バラバラに見えるものの
中重量→物理的ストレス・筋肥大・高重量への準備
高重量→物理的ストレス・筋力向上
低重量→化学的ストレス・筋持久力向上・関節や神経系の回復
という明確な目的があります。
トレーニング中にきつくなってきても、重量を落としてしまうとそれぞれも目的を達成しにくくなり、わざわざ重量でフェーズを分けている意味がなくなってしまいます。
基本的にはきつくなっても各フェーズで決めた重量は変えずに、
- レップ数を減らず
- インターバルを長くする
などで対応しましょう。

マンデルブロトレーニングはどんな人におすすめ?
マンデルブロトレーニングは、一見でたらめな重量設定に見えますが、その本日はしっかりとした理論に基づいたプログラム。
筋肉の刺激に対する慣れを回避しつつ筋肥大・筋力を向上させていくことができます。
また、プログラム自体の構成もシンプルなため、比較的とっつきやすい。
基本的にはトレーニング初心者から上級者まで活用できる応用力の高いプログラムですが、中でも特に
停滞を感じ始めたトレーニング中級者
の方にはおすすめ。
初心者のうちはマンデルブロトレーニングでなくても成長していけますし、上級者になってくるとさらに複雑で特定の目的にフォーカスしたプログラムを使うことも増えてきます。
こういったことを考えると
- ある程度トレーニングに慣れてきた
- 普通のトレーニングでは伸びが小さくなってきた
- プログラムのバリエーションを増やしてみたい
というトレーニング中級者の方にこそ、マンデルブロトレーニングはおすすめです。

まとめ
筋肥大や筋力向上に貢献しつつ、停滞も避けることができるトレーニングメソッド、マンデルブロトレーニングについて紹介してきました!
比較的簡単に実践することができ、応用の幅も広いマンデルブロトレーニング。
トレーニングにマンネリ化を感じ始めたら、ぜひ挑戦してみてください!
以上、『マンデルブロトレーニングとは??【効果や実践方法を徹底解説!】』でした!
