筋トレの魅力のひとつは
少し工夫を加えるだけで劇的に質を向上させることができる
ということ。
トレーニングの質を高めるテクニックが数多くありますが、今回は中でも簡単にトレーニングの強度を高めることができる方法として
ピークコントラクション法
を紹介します!
トレーニングの質の向上や新たな刺激の獲得にはもちろんのこと、マンネリ化対策としても使える応用範囲のひろいテクニックなので、ぜひともマスターしてください!

ピークコントラクション法とは
- ピーク(頂点)
- コントラクション(収縮)
という名前からも予想できますが、ピークコントラクション法とは
筋肉が収縮しきったポジション(収縮のピーク)で数秒間キープする
というトレーニングテクニック。
基本的には、筋肉が最大限に収縮したときに大きな負荷がかかるコントラクト系種目で使うテクニックになります。
狙った筋肉の収縮を最大限に意識できるとより効果的なので、ターゲットをピンポイントで動かせるアイソレーション種目との相性が抜群。
負荷がかかった状態で筋肉の収縮をキープすることでTUT(タイムアンダーザテンション・筋肉の収縮時間)を長くし、
- 筋収縮による物理的負荷
- 血流の制限によるパンプアップ効果
を引き出すといった理屈で筋肥大に効果を発揮してくれます。
TUTについて詳しくはこちら!

ピークコントラクション法のメリット
ピークコントラクション法を用いたトレーニングのメリットは以下のような感じ。
- ターゲットに強い刺激を与えられる
- マインドマッスルコネクションの向上
- 筋肉のメリハリが出る
- 簡単に追い込める
では、ひとつづつ解説していきます。
ターゲットに強い刺激を与えられる
ピークコントラクション法は、基本的に
コントラクト系のアイソメトリック種目(収縮時に負荷がかかり、ひとつの関節しか関与しない種目)
で行うトレーニング。
このコントラクト系のアイソメトリック種目の弱点として挙げられるのが、強度不足になりやすいということです。
高重量を扱いにくく強度を上げにくいアイソメトリック種目ですが、ピークコントラクション法を使うと
筋肉に負荷が乗った状態での収縮時間をながくする
ことができます。
その結果、
- 物理的ストレスが向上する
- パンプ感・バーン感を得やすい
といった効果を得ることができるわけです。
本来強度が弱くなりがちなトレーニングでも高い強度を実現できるのは、ピークコントラクション法の大きなメリットですね。
マインドマッスルコネクションの向上
ピークコントラクション法の大きな特徴は
ターゲットの筋肉が最大限に収縮させた状態でキープする
ということ。
ターゲットの筋肉を収縮させ続けるわけなので、狙っている部位への意識は当然高まります。
ターゲットへの意識が高まれば、
- 狙った筋肉をピンポイントで鍛える
- より筋肉に「効かせる」
といったことができるようになります。
要は、
マインドマッスルコネクションが高まる
というわけです。
筋肉を意識しながら動かすというのはトレーニングにおいてはかなり大事な要素のひとつで、これができるのとできないのとではトレーニングの質や成長速度に大きな差が生まれます。
うまく意識できるようになれば、ピークコントラクション法を使わない通常のトレーニングの質も大幅にアップできるので、
まずはピークコントラクション法で「効かせる」感覚をつかむ
というのもいい方法です。

筋肉のメリハリが出る
筋肉が収縮したポイントで最大負荷がかかるコントラクト系の種目は
筋肉のカットを出しやすく、メリハリのある見た目の筋肉をつくりやすい
と言われています。
実際、ボディビルダーやフィジーカーでも比較的低重量高レップのコントラクト系種目を多用している選手も多く、ボディメイクという観点からはコントラクト系種目はかなり優秀。
そんなコントラクト系種目の質を向上できるピークコントラクション法も、筋肉の印象や見た目を良くするためには効果的なテクニックなわけです。
簡単に追い込める
追い込むためのトレーニングテクニックは数多くありますが、
- 体力的に限界を迎えてもフォームを崩してはいけない
- きつい状態でもレップを続けるメンタルが必要
- 補助についてもらう必要がある
など、初心者のうちには手軽にできないものも意外と多くあります。
そんな時にも活躍してくれるのがピークコントラクション法。
基本的に、ピークコントラクション法はウエイトを上げきった状態でキープするだけなので、非常に簡単。
それなりにフォームが固まっていればすぐにでも実践することができます。

ピークコントラクション法のデメリット
その他多くのトレーニングテクニックにもデメリットがあるように、多くのメリットのあるピークコントラクション法も万能ではありません。
デメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 重量が落ちる
- できる種目が限られる
- 種目によっては関節への負担が大きくなる
こちらもひとつづつ解説していきます。
重量が落ちる
ピークコントラクション法は、言ってしまえば、重量を追い求めずに強度を上げるためのテクニック。
筋肉の収縮時間を長くすることによって負荷を上げていくというメカニズムなので、どうしても普段のトレーニングと比べると重量は下がってしまいます。
だいたいの目安ですが、普段の60~70%くらいの重量を扱うことになる思います。
普段片手30kgでダンベルプレスをしている人なら、20kgに落として行うという感じですね。
扱う重量が下がると
- 頑張った感
- やる気・モチベーション
が得にくくなってしまうので、重量が扱えないのはピークコントラクション法のデメリットと言えるでしょう。
できる種目が限られる
何度か触れているように、ピークコントラクション法を行うには、筋肉が収縮したポイントで負荷が乗っていることが必須。
それもそのはずで、負荷が乗っていない状態をキープしても全く意味がありません。
コントラクト系種目では大いに効果を発揮するピークコントラクション法も、
- ミッドレンジ系種目(動作の途中で負荷が最大になる種目)
- ストレッチ系種目(筋肉がストレッチした状態で負荷が最大になる種目)
ではほとんど無意味になってしまうわけです。
種目によっては関節への負担が大くなる
コントラクト系の種目なら何も考えずにピークコントラクション法を使ってもいいのかというと、実はそんなに単純な話でもありません。
種目によっては最大収縮時に関節への負担が大きくなってしまうものもあるので注意が必要です。
例えば、大腿四頭筋のコントラクト系種目として代表的なレッグエクステンションは、ウエイトを上げきった位置で筋肉にかかる負荷が最大になると同時に、膝への負担も最大になってしまいます。
基本的にピークコントラクション法では高重量を扱わないので、多少関節に負担がかかったところでケガに直結することは少ないとは思いますが、
種目によっては危険が潜んでいる可能性がある
ということを知っておくのは大切です。

ピークコントラクション法と相性のいい種目・悪い種目
何度も触れているように、ピークコントラクション法はどんなトレーニングにも活用できるというわけではありません。
基本的には
コントラクト系種目
で効果を発揮するテクニックです。
ということで、各部位に対して、
ピークコントラクション法と相性のいい種目・悪い種目
を紹介しておきます!
部位 | 相性◎ | 相性× |
胸 | ケーブルクロスオーバー ペックフライ | ベンチプレス系種目 ダンベルプレス系種目 チェストプレス ダンベルプルオーバー |
背中 | ベントオーバーロウ ラットプルダウン ダンベルロウ シーテッドロウ Tバーロウ 懸垂 | デッドリフト系種目 |
肩 | サイドレイズ リアレイズ フロントレイズ フェイスプル | バーベルショルダープレス ダンベルショルダープレス |
上腕二頭筋 | ケーブルカール コンセントレーションカール | プリーチャーカール スパイダーカール |
上腕三頭筋 | ケーブルトライセプスエクステンション ケーブルプレスダウン ダンベルキックバック | ライイングトライセプスエクステンション ナローベンチプレス ディップス |
大腿四頭筋 | レッグエクステンション | スクワット系種目 ランジ系種目 レッグプレス |
ハムストリング | レッグカール | スクワット系種目 デッドリフト系種目 レッグプレス |

ピークコントラクション法をさらに使いこなすには…
ピークコントラクション法は単体で使っても追い込みやすく効果が高いトレーニングですが、より使いこなすには
POF法
と組み合わせるのがおすすめです。
POF法とは、一言でいうと
筋肉に負荷がかかる位置でトレーニングを3種類(ミッドレンジ系・ストレッチ系・コントラクト系)に分けて、1部位に対して3種目行う
というトレーニングプログラムの立て方。
1種目目 | 高重量のミッドレンジ種目 |
2種目目 | 高~中重量のストレッチ系種目 |
3種目目 | 中~低重量のコントラクト系種目 |
のようにメニューをつくり、最後のコントラクト系種目でピークコントラクション法を使うと、バキバキに追い込むことができます。
筋肥大に効果的なのはもちろんのこと、良い感じのパンプ感を得て気持ち良くトレーニングを終えることができるので
POF法×ピークコントラクション法
の組み合わせはかなりおすすめです。
POF法について詳しくはこちら!

まとめ
簡単に実践てきて筋肥大効果も高いトレーニングテクニック、ピークコントラクション法について紹介してきました。
筋肉への意識も高まり、とてもおすすめのテクニックです。
ぜひみなさんも試してみてください!
以上、『ピークコントラクション法を徹底解説!【簡単に追い込めます】』でした!
