アーノルドクラシック優勝、Mrオリンピアでも上位の常連として活躍したボディビルダー、デニス・ウルフ。
圧倒的なサイズ感とボディビル界きってのナイスガイとして愛されたウルフは一体どんな人物だったのでしょうか?
この記事では、そんな彼の生い立ちや大会成績、トレーニング内容などについて紹介していきます!

プロフィール
本名:デニス・ウルフ(Dennis Wolf)
愛称:Big Bad Wolf
出身:ソビエト連邦・トクモク(現キルギス)
生年月日:1978年10月30日
身長:180cm
体重:120-124kg
胸囲:142cm
上腕:56cm
ウエスト:74cm
カーフ:43cm
経歴
生い立ち
デニス・ウルフは旧ソ連・トクモクの貧しい一家の元に生まれます。
デニス一家の生活は厳しく、彼は幼いころから食べるものもままならないほどの貧困の中で育ちます。
スポーツや運動することが大好きだったデニスですが、勉強と家事の手伝いに終われ、遊んでいる暇もなかったと言います。
ドイツへ
1992年にデニス一家はドイツに移住します。
ドイツ語を学び、環境にもなれてきたデニスは高校卒業後はペンキや窓の施工業者として働き出します。
過酷な肉体労働を週に6日、1日に12時間もこなしていったデニス。
たまの休みの日に友人とキックボクシングの練習をしたり、スポーツに励んだりするのが彼にとって何よりも楽しみでした。
ボディビルとの出会い
そんな彼がボディビルに出会ったのは18歳の時、アーノルド・シュワルツェネッガーの写真を見て衝撃を受けたのがきっかけでした。
すぐに友人とジムに入会したデニス。
3週間ほどが経つと友人たちはジムをやめてしまいましたが、自分が少しずつ強く大きくなっていくことに楽しみを見出したデニスはどんどんトレーニングにはまっていきました。

大会に挑戦
デニスは次第に大会にも興味をもつようになります。
コーチもつけて本格的に大会を目指しだしたデニスは1999年の「NRW Newcomer Championships」で大会デビューし、いきなり準優勝を果たします。
翌年の「NRW-Landesmeisterschaft」で大会初優勝を果たしたデニスは、プロになってボディビル一本で生きていこうと考えだしました。
プロとして
大会デビュー以来、5年間で14の大会に出場し、好成績を残していったデニス。
2005年の「World Championships」で優勝し、ついにプロカードを獲得。
プロボディビルダーになるという夢をかなえました。
デニスはそれ以来プロとして9年間にわたり29の大会に出場し、その名をボディビル界に轟かせていきます。
「Arnold Classic」を含む数多くの大会で優勝し、Mrオリンピアでも5位以上に7回食い込み、最高3位にまで登り詰める活躍ぶり。
2000年台、2010年台を代表するボディビルダーとして称賛を集めました。
怪我と引退
デニスは2016年に脊髄を損傷するというケガを負ってしまい、しばらくボディビルから遠のいてしまいます。
2018年の「Arnold Classic」で何とか復帰を果たしますが、その後は大会に出場せず、実質的な引退状態が続きました。
まだ40代前半とボディビルダーとしてはこれからという時期で、Mrオリンピアでも優勝候補に挙がるほど人気と実力を兼ね備えていたデニスですが、2019年、正式にボディビルからの引退を表明しました。
引退の理由としては
「ケガの影響でトレーニングができずサイズダウンしてしまった自分の身体をもう一度サイズアップするモチベーションがなくなってしまった」
と言っています。
もともと圧倒的なサイズを武器にしていた選手だっただけに、ケガでサイズダウンしてしまったのは深刻な問題だったようです。
引退後のデニスは、故郷ドイツで奥さんと暮らしているようです。

大会成績
1999 Newcomer 2位
1999 Multipowerpokal 4位
1999 NRW-Landesmeisterschaft 4位
2000 NRW-Landesmeisterschaft 1位
2000 Internationale Deutsche Meisterschaft 4位
2002 Mr. Universum 1位
2002 Belgium Grand Prix 1位
2004 NRW-Landesmeisterschaft 1位
2004 Deutsche Meisterschaft 2位
2005 Int. Hessischer 2位
2005 NRW-Landesmeisterschaft 1位
2005 46 Deutsche Meisterschaft 1位
2005 WM-Qualifikation 1位
2005 IFBB World Championship 1位(プロカード取得)
2006 Europa Supershow 7位
2006 Montreal Pro Championships 5位
2006 Grand Prix Spain 3位
2006 Mr. Olympia 16位
2007 New York Pro 3位
2007 Keystone Pro Classic 1位
2007 Mr. Olympia 5位
2008 Mr. Olympia 4位
2009 Mr. Olympia 16位
2010 NY Pro 3位
2010 Mr. Olympia 5位
2011 Flex Pro 4位
2011 Arnold Classic 2位
2011 Australian Pro 1位
2011 Mr. Olympia 5位
2011 Sheru Classic 5位
2012 Arnold Classic 2位
2012 Mr. Olympia 6位
2012 Arnold Classic Europe 2位
2012 EVLS Prague Pro 1位
2013 Mr. Olympia 3位
2013 Arnold Classic Europe 3位
2014 Arnold Classic 1位
2014 Mr. Olympia 4位
2014 Arnold Classic Europe 1位
2014 EVLS Prague Pro 1位
2014 San Marino Pro 2位
2015 Mr. Olympia 4位
2015 EVL’s Prague Pro 4位
2018 Arnold Classic 12位

トレーニング
現役時代のデニスは週に4回トレーニングし3日休むというルーティーンを採用していました。
キャリア食のころはボリュームを増やすことを最重要視しており、時には1回のトレーニングで30セット以上をこなすこともありました。
しかしキャリア後期になるとボリュームは抑えめに、一回一回のトレーニングの強度を高めることを意識するようになったそうです。
では、実際のメニュー例をチェックしていきましょう。
月曜日:胸・上腕二頭筋
インクランベンチプレス | ウォームアップ2セット、メイン8-12回3セット |
ベンチプレス | 8-12回2セット |
インクラインフライ | 8-12回2セット |
ケーブルクロスオーバー | 15回1セット |
シーテッドダンベルカール | ウォームアップ2セット、メイン10回2セット |
バーベルカール | 10回2セット |
ワンアームケーブルカール | 12回1セット |
火曜日:脚
レッグエクステンション | ウォームアップ1セット15回3セット |
レッグプレス | 12回2セット |
スクワット | 10-15回1セット |
ライイングレッグカール | 10-15回3セット |
グッドモーニング | 10回2セット |
ワンレッグカール | 10回1セット |
スタンディングカーフレイズ | 15回3セット |
シーテッドカーフレイズ | 15回2セット |
水曜日:オフ
木曜日:背中・肩後部
ダンベルプルオーバー | ウォームアップ1セット、メイン10回2セット |
クローズグリッププルダウン | 10回2セット |
ベントオーバーロー | 10回2セット |
シーテッドワンアームロー | 12回1セット |
ライイングリバースフライ | 12回3セット |
ワンアームケーブルリバースフライ | 12回2セット |
シュラッグ | 10回2セット |
金曜日:肩・上腕三頭筋・腹筋
フロントショルダープレスマシン | ウォームアップ1セット、メイン10-12回3セット |
ダンベルサイドラテラルレイズ | 10回2セット |
ワンアームケーブルラテラルレイズ | 10回1セット |
ケーブルプッシュダウン | ウォームアップ1セット、メイン10-12回3セット |
フレンチプレス | 10回2セット |
ワンアームケーブルプッシュダウン | 15回2セット |
シットアップ | 15-20回3セット |
土曜日:オフ
日曜日:オフ
また、デニスはトレーニングにおいて、以下の10個のルールを大切にしていました。
①ひとつの部位につき最低1種目は高重量のフリーウエイトトレーニングを取り入れる。 ②フリーウエイトだけでなくケーブルやマシンを使ったアイソレーション種目も行う。 ③カーフと腹筋以外は10-12レップの中回数を目安にする ④さまざまな種類のトレーニングを取り入れてボリュームを調節する ⑤きれいなVシェイプの身体をつくるため、ラテラルレイズとプルダウンを大切にする。 ⑥ウエストを細く保つため、腹筋のトレーニングも積極的に行う。 ⑦写真と体重の記録を残して自分の成長を確認する。 ⑧弱点部位はトレーニングの頻度を増やす。 ⑨どんなトレーニングを、何レップ、何セットするのか、目的をもってトレーニングに挑む。 ⑩自分の身体の変化を楽しむ。

食事
圧倒的なサイズを誇る彼の身体は何を食べてつくられたのでしょうか?
増量期と減量期の彼の食事例は以下の通りです。
増量期
1食目プロテイン | 100g、オートミール0.5カップ、バナナ1本 |
2食目(トレーニング後) | プロテイン40g |
3食目 | とりむね肉283g、玄米0.5カップ |
4食目 | 魚397g、玄米0.5カップ |
5食目 | ステーキ283g、玄米0.5カップ |
6食目 | とりむね肉283g、ポテト283g |
7食目 | プロテイン80g |
減量期
1食目 | オートミール1カップ、卵白10個、プロテイン1杯 |
2食目 | 赤身の牛肉142g、カシューナッツ57g |
3食目 | とりむね肉170g、全卵3個 |
4食目 | プレワークアウト |
5食目 | ポストワークアウト(プロテイン) |
6食目 | カレイ170g、豆1カップ |
7食目 | プロテイン2杯 |

まとめ
ドイツが生んだ超大型ボディビルダー、デニス・ウルフの経歴やトレーニング、食事について紹介してきました。
彼のようなデカくてかっこいい身体を目指してトレーニングしていきたいものですね。
以上、『デニス・ウルフってどんな人?【ドイツが生んだマスモンスター】』でした!
