筋トレはダンベルやバーベル・マシンなどを使って行うもの
というようなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?
確かにウエイトを使ったトレーニングは効果的ですが、一口に筋トレといってもその種類は千差万別。
もっと手軽に実践できて、筋肥大効果も期待できるトレーニングもあるんです。
ということで今回の記事では
アイソメトリックトレーニング
について紹介していきます。
自宅でも簡単にできて始めるハードルも低いトレーニングなので、ぜひ試してみてください!

アイソメトリックトレーニングとは
アイソメトリック
というのは、筋肉の収縮の仕方を表す単語で、日本語にすると
等尺性収縮
となります。
これは、要は
関節を動かさずに筋肉を収縮させている
状態のこと。
筋肉に力をこめて収縮させてはいるものの、関節が動いていないため筋肉の長さ自体は変化していないから「等尺性収縮」という名前がついているわけです。
例えば、空気いすをしている場面を想像してみてください。
身体のバランスを保つために下半身の筋肉に力が入っていますが、関節が動いていないため筋肉の長さはずっと同じになっていますよね。
これがまさに等尺性収縮です。
アイソメトリックトレーニングとは、この等尺性収縮を活用して筋肉に刺激を与えていくトレーニングです。

アイソメトリックトレーニングのメリット
アイソメトリックトレーニングのメリットとしては
- 筋肥大効果が期待できる
- 安全性が高い
- 場所や時間に縛られない
- 手軽にできる
というものが挙げられます。
筋肥大効果が期待できる
アイソメトリックトレーニングでは、関節の動きはなく派手さやダイナミックさには欠けるものの、常に同じ姿勢やポジションをキープする必要があります。
いわば
筋肉が収縮している状態をキープする
というトレーニングなわけです。
筋肉の収縮時間が長いと血流が制限され、乳酸などの代謝物がたまって筋肉内の代謝環境が悪化しやすくなります。
これがいわゆるパンプアップした状態ですね。
パンプアップを引き起こすと代謝環境への適応のために成長ホルモンの分泌が促進されるため、筋肥大効果も期待できます。
安全性が高い
ダンベル・バーベルなどの器具を使ったトレーニングは、つまるところ
自然に経験することのない異常な負荷をかける
というトレーニングです。
そのため腱や関節への負担も大きくなり、知らず知らずのうちに疲労がたまったり、ケガの原因になったりします。
また、どうしても動きを伴うため、フォームの乱れがトレーニングの質の低下やケガにつながってしまう可能性もあります。
その点アイソメトリックトレーニングは、自分の出した力に対する反力分の負荷しかかからないため、負荷の強さを設定しやすく、身体に無理をさせることなく実践できます。
関節が動かない静的なトレーニングなため、腱や関節のケガのリスクも抑えられます。
時間や場所に縛られない
いつでもどこでも、短時間でもできる
というのはアイソメトリックトレーニングの大きなメリットです。
例えば、代表的なアイソメトリックトレーニングである空気椅子なら、壁さえあればどこでもできます。
特別な器具のいらないし、部屋が狭くても全く問題ありません。
また、体幹を鍛えるプランクなどでは、自宅でテレビを実ながらトレーニングすることもできますし、1日5-10分程度でも大丈夫です。
アイソメトリックトレーニングに必要なのはほんの少しのやる気だけです。
手軽にできる
筋トレをやってみたい!
と思っても、いきなりジムに行ったり、ホームジム用の高価な器具を買ったりするのは気が引ける人も多いでしょう。
その点、特別な器具も大きなモチベーションもなく始められるアイソメトリックトレーニングは手始めにやってみるにはピッタリです。
また、
両手のひらを胸の前で合わせて押し合う
という単純極まりない動作も、腕や胸の筋肉を鍛える立派なアイソメトリックトレーニングです。
これなら運動の苦手な人や、持病などの影響で激しい運動ができない人でもできそうです。
誰でも気楽に始められる
というのも大きなメリットです。

アイソメトリックトレーニングのデメリット
メリットが多くあるとはいえ、アイソメトリックトレーニングも万能ではありません。
デメリットについても確認しておきましょう。
筋力向上・筋肥大には向かない
パンプアップによる一定の筋肥大効果は期待できるとはいえ、アイソメトリックトレーニングが筋肥大や筋力向上に効果的かというと、そうは言い切れません。
一般的に筋肥大や筋力向上には
高重量のウエイトを用いたトレーニングによる物理的に大きな刺激
が最も有効と考えられています。
その点、大きな物理的ストレスを与えることができないアイソメトリックトレーニングは筋肥大や筋力向上には最適とは言えません。
また、そもそもの話、筋肉は関節を動かすためのものです。
そのため、関節を動かさない静的なアイソメトリックトレーニングでは動的な刺激を与えられず、トレーニングの効率はどうしても下がってしまいます。
鍛えにくい部位がある
アイソメトリックトレーニングは関節の動きを伴わない静的なトレーニングなため、実践できる種目が限られてきます。
脚や腹筋などはそれなりにトレーニングしやすいのですが、肩、背中などを狙える種目はほとんどありません。
また、関節の動きがないため刺激の角度を変えることができず、トレーニングできる部位が限定されてしまうのもデメリットと言えるでしょう。

アイソメトリックトレーニングのポイント
では、アイソメトリックトレーニングを効率的に行うためのポイントについて紹介していきます。
負荷を変える
アイソメトリックトレーニングの大きなメリットのひとつは
自分にあった負荷にできる
ということ。
例えば空気椅子では、
高負荷にしたい場合 | 膝が90°になるまで(もしくばもっと深く)しゃがんでキープする |
きつくなってきた場合 | 膝の角度を浅くする |
というように、簡単に負荷を変化させることができます。
自分のレベルや目標に応じて適切な負荷をかけていきましょう。
呼吸は止めない
アイソメトリックトレーニングは、筋肉に力を入れた状態を長時間維持するトレーニングです。
力んでいるときは呼吸を止めてしまいがち。
呼吸を止めていると血圧の急上昇につながり、危険も伴います。
トレーニング中は意識的に呼吸を続けるようにしましょう。
筋肉を意識する
これはアイソメトリックトレーニングに限らずすべての筋トレに当てはまることなのですが、鍛えている筋肉を意識することで筋トレの効果はアップします。
いわゆる
- 意識性の原則
- マインド・マッスル・コネクション
などと呼ばれるものですね。
筋トレするうえで、
今どこの筋肉を鍛えているのか
を意識することはマストです。
さらに、筋肉に意識を向けることで微妙な負荷や角度の調節がしやすくなり、きれいなフォームを習得しやすくもなります。
トレーニング中は常に
- どの筋肉を鍛えているのか
- どんな目的でそのトレーニングしているのか
を頭に置いておきましょう。
おすすめ種目
では、手軽にできて効果的なアイソメトリックトレーニングの種目を紹介していきます。
空気椅子(ウォールシット)

空気椅子は言わずと知れた下半身の静的トレーニングですね。
トレーニングの流れは以下のような感じ。
脚を肩幅程度に広げる
↓
壁にもたれかかる
↓
膝を曲げて腰を落とす
↓
その姿勢をキープする
単純極まりないトレーニングですが、手軽にできて効果も抜群です。
また、
- 大腿四頭筋(太ももの前)を狙う場合は足を壁に近い位置にする
- ハムストリング(太ももの裏)を狙う場合は足を壁から遠くする
- 太ももの内側を狙う場合は足を大きく広げる
- 太ももの外側を狙う場合は足を狭くする
といったようにバリエーションが豊富なことも空気椅子がおすすめな理由のひとつです。
アイソメトリックプッシュアップ

主に大胸筋を狙ったのがこのトレーニング。
トレーニングは以下のような流れで実行します。
床に手のひらとつま先をつき、腕立ての姿勢をつくる
↓
肘を曲げ、できるだけ上体を下げる
↓
身体の軸は曲げずに、その姿勢をキープする
この種目もシンプルですが
- 手の幅を広げると大胸筋に効きやすくなる
- 手の幅を狭めると上腕三頭筋に効きやすくなる
というように変化を付けることも可能で、意外と奥深い種目です。
プランク
![完璧な「プランク」をマスターして「体幹」を鍛えよう | ライフハッカー[日本版]](https://assets.media-platform.com/lifehacker/dist/images/2016/09/160907perfect_plank-w960.jpg)
腹筋群を中心とした体幹を鍛えていくのがプランクです。
四つん這いになり、肩の真下に肘を置く
↓
前腕を三角形状にセットする
↓
上体を床から持ち上げ、つま先と肘で支える
↓
身体の軸は曲げずに、その姿勢をキープする
テレビや動画を見ながらでもできるお手軽なメニューです。
意外ときついので最初は10秒くらいで終わってもOKです。
少しづつキープできる時間を伸ばしていきましょう。
まとめ
手軽に・安全に・効率的に実践できるアイソメトリックトレーニングについて紹介してきました。
- いきなりジムに行くのは気が引ける
- 少しトレーニングに興味がある
といった人にはピッタリのトレーニングです。
興味のある方はぜひ試してみてください!
以上、『【筋トレ】アイソメトリックトレーニングとは?【メリットやおすすめ種目を解説】』でした!
