今回の記事ではクリス・カミアーというボディビルダーを紹介します。
セルジオオリバJrのコーチとしても有名で、
- ドリアン・イェーツに追い込まれすぎてゲロをぶちまけて怒られた
- ボクシング世界チャンピオンのマイクタイソンに喧嘩で勝ちそうになった
などぶっとんだ逸話も多いクリス。
そんな彼の経歴やトレーニング方法について見ていきましょう。

プロフィール
本名:ブロデリック・クリスチャン・カミアー(Broderick Christopher Cormier)
愛称:The Real Deal
出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州パームスプリングス
生年月日:1967年8月19日
身長:177.5cm
体重:111.1-115.7kg
胸囲:132cm
上腕:56cm
ウエスト:81cm

経歴
生い立ち
カリフォルニア州に生まれたクリス・カミアーはスポーツが大好きな男の子でしたが、幼いころはシャイな性格で競争心も大きくはなかったそうです。
クリスは高校に入ってすぐにウエイトリフティング部に入部します。
ボディビルの大会にも出場するようになっていったクリスですが、シャイな性格はそのままで、
「ステージでポージングするときはいつも緊張で怖気ついていた」
と振り返っています。
ちなみにこのシャイな性格はずっと治らず、プロになった後もステージに上がるたびに緊張していたらしいです。
そんなクリスですが次第に大会でもいい成績を収めるようになっていき、緊張しながらもステージに上がることに楽しみを見出し始めました。
プロへ
1987年に「NPC Teen Nationals」で優勝を果たしたクリスは、自分にもプロになれる可能性が十分にあると気づきます。
ジムに入り浸り、手あたり次第に本を読んで栄養の知識もつけていきました。
1991年には「NPC USA Championships」で4位に入賞し、確かな手ごたえを感じます。
そして1993年に再び「NPC USA Championships」に出場したクリスはそこで見事優勝。
プロの世界に踏み出しました。
プロとしての活躍
1994年にプロデビューしたクリスは、その年には「Ironman Pro」で2位に入賞、「Mr. Olympia」で6位に入賞するなど、プロの世界でも実力を遺憾なく発揮していきます。
プロとしては70以上の大会に出場し、12回の優勝を経験、5位以内には52回も入賞しています。
Mrオリンピアにも10回出場し、トップビルダーとして長くボディビル界をけん引しました。

ジャッジへの疑問
トップビルダーとして活躍したクリスですが、当時のジャッジには完全に納得していたわけではないようです。
というもの、一昔前のボディビルダーのような
美しく、はっきりとした筋肉
を理想としていたクリスは、
筋肉はデカければデカいほどいい
というような当時のジャッジの仕方には疑問を抱くこともあったそうです。
他者のために
ボディビルダーとして活動する一方、
「誰かのためになることをしたい」
という気持ちを持ち続けているというクリス。
自信の知識と経験を活かし、トレーナーとしてクライアントが理想の身体になるための手助けも行っています。
プロとしての華々しい経歴を持つクリスだけに依頼も多く、トレーナーとしても成功しているようです。

大会成績
1987 NPC Teen Nationals, Light-Heavyweight 1位
1991 NPC USA Championships, Heavyweight 4位
1993 NPC USA Championships, Heavyweight 1位
1994 Arnold Classic 4位
1994 Grand Prix France 7位
1994 Grand Prix Germany 6位
1994 Ironman Pro Invitational 2位
1994 Mr. Olympia 6位
1995 Grand Prix England 5位
1995 Grand Prix France 5位
1995 Grand Prix Germany 4位
1995 Grand Prix Russia 5位
1995 Grand Prix Spain 4位
1995 Grand Prix Ukraine 4位
1995 Night of Champions 4位
1995 Mr. Olympia 6位
1996 Grand Prix Czech Republic 8位
1996 Grand Prix England 8位
1996 Grand Prix Germany 7位
1996 Grand Prix Russia 8位
1996 Grand Prix Spain 8位
1996 Grand Prix Switzerland 8位
1996 Mr. Olympia 7位
1997 Canada Pro Cup 3位
1997 Grand Prix Czech Republic 2位
1997 Grand Prix England 2位
1997 Grand Prix Finland 2位
1997 Grand Prix Germany, 6th
1997 Grand Prix Hungary, 8th
1997 Grand Prix Russia 4位
1997 Grand Prix Spain 6位
1997 Night of Champions 1位
1997 Mr. Olympia 8位
1997 Toronto Pro Invitational 3位
1998 Arnold Classic 5位
1998 Grand Prix Finland 4位
1998 Grand Prix Germany 4位
1998 Mr. Olympia 6位
1999 Arnold Classic 3位
1999 Ironman Pro Invitational 1位
1999 Mr. Olympia 3位
2000 Arnold Classic 2位
2000 Ironman Pro Invitational 1位
2001 Arnold Classic, 2nd
2001 Grand Prix Australia 1位
2001 Grand Prix England 2位
2001 Grand Prix Hungary 2位
2001 Grand Prix New Zealand 2位
2001 Ironman Pro Invitational 1位
2001 Mr. Olympia 5位
2001 San Francisco Pro Invitational 1位
2002 Arnold Classic 2位
2002 Grand Prix Australia 1位
2002 Grand Prix Austria 1位
2002 Grand Prix England 3位
2002 Grand Prix Holland 2位
2002 Ironman Pro Invitational 1位
2002 Mr. Olympia 3位
2002 San Francisco Pro Invitational 2位
2002 Show of Strength Pro Championship 3位
2003 Arnold Classic 2位
2003 Grand Prix Australia 1位
2003 San Francisco Pro Invitational 2位
2003 Show of Strength Pro Championship 7位
2004 Arnold Classic 2位
2004 Grand Prix Australia 2位
2004 Grand Prix England 2位
2004 Grand Prix Holland 2位
2004 Mr. Olympia 7位
2005 Arnold Classic 2位
2005 Grand Prix Australia 2位
2005 Mr. Olympia 13位
2005 San Francisco Pro Invitational 1位
2007 IFBB Montreal Pro Classic 4位

トレーニング
トレーナーとして活躍するクリスは、トレーニングするうえで以下の3つを大切にしているそうです。
トレーニングは午前と午後の2回に分けて行う
いわゆるダブルスプリットですね。
そうすることで各部位のレップ数とセット数を稼ぎ、トレーニングのボリュームを稼ぎやすくなります。
ダブルスプリットについて詳しくはこちら!
腹筋のトレーニング頻度を増やす
トレーニング頻度を上げることでタイトな腹筋周りをキープできると考えているそうです。
2日に1回くらいの頻度でトレーニングするのが理想的だと言っています。
4日トレーニングした後は2日オフをとり、身体を完全に回復させる
筋肉を発達させるためには、トレーニングだけでなく休養も大切。
特にクリスはオフの頻度もしっかり確保していたようですね。

具体的なトレーニング内容とルーティーンは以下の通りです。
1日目:脚(大腿四頭筋)・ハムストリングス
午前:脚(大腿四頭筋)
レッグエクステンション | ウォームアップ15-20回2セット メイン15回4セット |
レッグプレス | 10-30回5セット |
ハックスクワット | 12-15回5セット |
ランジ | 15回3セット |
午後:ハムストリングス
ライイングレッグカール |
スティフレッグデッドリフト |
2日目:胸・腹筋・カーフ
午前:胸
インクラインベンチプレス | ウォームアップ8-15回2セット メイン8-15回3セット |
ベンチプレス(またはダンベルプレス) | 8-15回3セット |
デクラインベンチプレス | 12-15回3セット |
ダンベルフライ | 10-12回4セット |
ケーブルクロスオーバー | 15回3セット |
午後:腹筋・カーフ
ロープクランチ | 15回4セット |
ニーアップ | 25回4セット |
ツイスト | 25回4セット |
ドンキーカーフレイズ | 15回4セット |
スタンディングカーフレイズ | 15-20回4セット |
シーテッドカーフレイズ | 15-20回4セット |
3日目:背中・肩後部
午前:背中
プルオーバー | ウォーミングアップ15-20回2セット メイン12-15回3セット |
プルアップ | 10-15回4セット |
スミスマシンデッドリフト | 10-15回4セット |
バーベルロウ | 8-12回4セット |
ワンアームダンベルロウ | 8-12回4セット |
シーテッドプーリーロウ | 10-15回4セット |
ハイパーエクステンション | 15回3セット |
午後:肩後部
リバースケーブルクロスオーバー | 15-20回4セット |
マシンリアラテラル | 15回4セット |
ワンアームケーブルリアレイズ | 15回4セット |
4日目:肩・腕
午前:肩
ラテラルレイズ | 12-15回4セット |
ミリタリープレス | 8-15回4セット |
マシンリアラテラル | 15回4セット |
ワイドグリップアップライトロウ | 10-15回4セット |
フロントダンベルレイズ | 15回3セット |
ダンベルシュラッグ | 15回3セット |
午後:腕
プリーチャーカール | 10-15回4セット |
バーベルカール | 8-15回4セット |
コンセントレーションカール | 10-15回3セット |
ローププッシュダウン | 15-25回4セット |
ライイングエクステンション | 10-15回4セット |
オーバーヘッドエクステンション | 15回4セット |
ワンアームプッシュダウン | 15回4セット |

食事
クリスは食事にもこだわりをもっており、基本的にクリーンなたんぱく源と複合炭水化物から栄養を摂取するように心がけていました。
実際の1日の食事例は以下の通りです。
1食目 | 卵白8-10個、オートミール1カップ |
2食目 | とりむね肉283g、玄米、ブロッコリー |
3食目 | プレワークアウト、ホエイプロテイン |
4食目 | 牛肉340g、ポテト、サラダ |
5食目 | とりむね肉283g、玄米0.5カップ |
6食目 | 卵白10個またはプロテイン |

まとめ
クリス・カミアーというボディビルダーについて紹介してきました!
彼のトレーニングに対する考え方や、食事内容からは、僕たち一般トレーニーにとっても参考になることが多そうです。
以上、『クリス・カミアーってどんな人?【経歴からトレーニング、食事まで】』でした!
