筋トレでかっこいい身体を手に入れるには、筋肉量や体脂肪率の低さはもちろんのこと、「左右の筋肉のバランス」も大切になってきます。
左右が均等にバランスよく発達していると、見栄えも良く、美しく感じますよね。
その反面
- 右腕だけが太くなって左腕が発達しない
- 左右の大胸筋の大きさが違ってバランスが悪い
など、筋肉の左右差で悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ということでこの記事では
- 筋肉に左右差が生まれてしまう原因
- 筋肉の左右差との向き合い方
- 左右差を解消するための対策
を紹介していきます!
バランスのとれた美しい身体のためにも、ぜひご覧ください!

筋肉の左右差はなぜ生まれる?
何ごとも、原因を解明して根本的な問題解決に挑むことは大切。
ということで、まずは、左右の筋肉で筋量や筋力に差が生まれてしまう原因を探っていきましょう!
筋肉に左右差が生まれる原因として考えられるものは、以下の5つ。
- 遺伝
- 運動経験
- 姿勢
- 利き手・利き足
- フォーム
では、ひとつづつ解説していきます。
遺伝
筋肉の形状や配置は遺伝によって決まっているので、これが左右差の原因になっている可能性は大いに考えられます。
有名なところでいうと、
- 左右の腹筋の形の違いやズレ
- 上腕二頭筋の厚みや高さ
- 広背筋の起始停止(TシェイプかVシェイプか)
などはすべて遺伝で決まってしまうので、これに関しては仕方ないです。
左右差はある程度なら努力で解消できますが、遺伝ばかりはどうしようもありません。
ある程度の左右差は気にしないのが良さそうですね。
運動経験
これまでの運動経験も、左右の筋量や筋力の差につながります。
分かりやすい例でいうと、
- アームレスラーの利き腕
- 野球選手がボールを投げる方の腕
- テニス選手がラケットを握る方の腕
が太くなることはイメージしやすいかと思います。
腕だけでなく、踏み込みに使う脚の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリング・大殿筋)や体幹付近の筋肉(脊柱起立筋)などにも差が生まれてくるので、スポーツや運動習慣は筋肉の左右差の大きな要因になっていると考えられます。

姿勢
普段生活している姿勢にも、筋肉の左右差になる要因が。
というのも、人間というのは無意識のうちに一番楽な姿勢を保持しようとするので
- 立つ
- 座る
- 歩く
など、何気ない普段の動作でも無意識のうちに自分が楽に感じる姿勢を探してしまいます。
その結果、左右の筋肉にかかる負荷が均等にならず、発達にも差が生まれるわけです。
利き手・利き足
利き手と効き足も、左右差に関わってくる要素。
例えば右手が利き腕の人がベンチプレスを行う場合を考えていきましょう。
胸に刺激を与えるのがベンチプレスの目的ですが、利き手である右手は器用に扱えるため、無意識のうちに右腕に負荷を分散させ、大胸筋への刺激を小さくしてしまいます。
逆に細かいコントロールがしにくい左腕では、大胸筋にダイレクトに負荷が乗ることに。
要は、両手でバーを握って均等に負荷をかけているつもりでも、無意識のうちに左右の負荷に差が生まれているわけです。
この刺激の差が筋肉の発達の差につながっているんですね。
ちなみに、利き手と筋肉の発達具合のだいたいの傾向は以下のような感じ。
腕 | 胸 | 肩 | |
右利き | 右腕が太い | 右胸が小さい | 右肩が小さい |
左利き | 左腕が太い | 左胸が小さい | 左肩が小さい |
フォーム
筋肉の左右差の要因のうち、最も改善の余地の大きいのがトレーニング中のフォーム。
自分では左右均等に負荷をかけているつもりでも、実はフォームが崩れていて左右差が生まれている場合は結構あります。
これは努力次第でいくらでも直していけるので、前向きに考えていきたいポイントですね。
筋肉の左右差との向き合い方

では、筋肉の左右のバランスが気になってしまった時、どんなマインドセットで向き合っていけばいいのか、紹介しておきます。
結論からいうと
気にしすぎない
というのが一番いいです。
というのも、筋肉を完璧に左右対称に発達させることは不可能だから。
先ほども触れてきたように、筋肉に左右差が生まれる要因としては「遺伝」という努力ではどうしようもない要素が含まれています。
また、普段の姿勢やフォームは改善することは可能ですが、それでもいくら頑張ったところで完璧な対称はつくれません。
なので、
ある程度の左右差は気にしない
という心構えが非常に大切。
また、多くの場合、筋肉の左右差は、自分で気にしているほどひどくないことがほとんど。
- 大胸筋の左右のバランスが悪くて困っている
- 腕の太さが左右で明らかに違っている
など悩んでいる場合も、他人から見ればそんなに違いが判らないことはよくあります。
小さいことで神経質になっていてはトレーニング自体を楽しめなくなってしまうので、あまり深く考えすぎないのがおすすめです。
結局は、左右差にこだわらずにシンプルに全身を発達させていくことを目標にした方が、楽しく効率よくトレーニングできるんです。

左右差を解消するための対策
筋肉の左右差はある程度は仕方なく、気にしないのが一番
とは言いましたが、この記事を読んでいる方は
「それでも左右差を解消するために何かしたい」
と思っている方でしょう。
ということで、筋肉の左右差を解消するための戦略を紹介していきます。
普段の姿勢で左右均等に負荷をかけるように意識するというのも方法のひとつですが、以下では
トレーニング中に意識したいポイント
について紹介します。
先にすべて挙げてしまうと
- 弱い方を意識する
- 弱い方に合わせる
- 弱い方から行う
- 徹底的にフォームを改善する
- マシンを使う
という5つ。
以下で詳しく解説していきます。
弱い方を意識する
筋トレは、ただ単にウエイトを上げ下げするような単純なものではありません。
- どの筋肉を動かしているのか
- どんな負荷がかかっているのか
- なんのためにこの動きを行っているのか
などを考えながらトレーニングを行った方が、筋肉が成長する効率は良くなります。
これがいわゆる
意識性の原則・マインドマッスルコネクション
などと呼ばれるものですね。
この意識性の原則をうまく活用すれば、発達が遅れている筋肉の成長を加速させることが可能。
例えば左の大胸筋に比べて右の大胸筋の発達が遅れている場合、
- トレーニングの動作中、常に右胸に意識を向ける
- 右胸を最大限に収縮・伸展させる
- 右胸の動きをイメージしながら動かす
というようにすることで、右胸への刺激を高めることができます。
シンプルでひねりのない方法ではありますが、意識ひとつでトレーニングの質は大きく変わるので、試してみる価値は高そうです。

弱い方に合わせる
- サイドレイズ
- ダンベルカール
- ダンベルショルダープレス
- ダンベルベンチプレス
などの左右のウエイトを独立して動かせる種目の場合、「弱い方に合わせる」というのも有効な手段。
左右で重量やレップ数に差がある場合、弱い方の重量・レップ数に合わせて行うようにしましょう。
例えば、ダンベルカールで
- 右手は20kgで10レップできる
- 左手は20kgで8レップが限界
という場合には、弱い方の左手にレップ数を合わせて、右手も8レップで止めておく、という感じです。
ここで強い方に合わせてしまうと、両方の筋肉に同じ負荷がかかって発達していくことになるので、いつまでたっても差が埋まらないどころか、下手したら左右差が大きくなってしまう可能性も。
左右独立して扱える種目では、弱い方の重量・レップ数に合わせましょう。
弱い方から始める
- ダンベルワンハンドロウ
- ブルガリアンスクワット
- 片手サイドレイズ
など、片手ずつ行う種目では、弱い方からトレーニングを始めるのがおすすめ。
例えば、左の広背筋の効きが悪い場合には
まずは左手でダンベルワンハンドロウを行う
↓
続けて右手で行う
といった感じ。
片手づつ行う種目は左右別々に負荷をかけられるとは言え、心拍数が上がって息が上がったり、疲労が溜まったりもするため、後に行う方が力を発揮しにくく、トレーニングの質も落ちてしまいがち。
なので、フレッシュな状態で元気があるうちに弱い方の筋肉を使っておきましょう。
徹底的にフォームを改善する
そもそもフォームが悪くて左右の筋肉に非対称な負荷がかかっていることも、左右差の原因としてはかなり有力。
であるならば、負荷に左右差が生まれないよう、徹底的にフォームを改善していくことでも筋肉のバランスを整えていくことは可能です。
自分では正確なフォームで行っているつもりでも
- 片方だけ可動域が狭い
- 片方だけスピードが遅い
- バーべルが傾いている
- 無駄な動作やブレが大きい
などの改善点が見つかることはよくあります。
- トレーニング中に鏡を見ながら確認する
- ウエイトの軌道を自分の目で見ながら修正する
という方法もアリですが、これらの方法だと
- 鏡の反射角度
- 首の傾き加減
などが影響して、正確にフォームを把握できないこともあります。
なので、個人的には
動画をとって自分のフォームを客観的に確認しつつトレーニングする
というのがおすすめです。
マシンを使う
ダンベルやバーベルなどフリーウエイト種目の特徴として
軌道が固定されていない
ということが挙げられます。
これは、バランスを保つために主動筋以外の筋肉も動員され、多くの筋肉を効率よく鍛えることができる、というメリットにもなるのですが、筋肉の左右差を考えるうえではデメリットになることも。
というのも、ダンベルやバーベルなどは軌道が固定されていないがゆえにフォームがぶれたり傾いたりしやすく、負荷の左右差を生む原因になってしまうからです。
なので、左右差を解消することが一番の目的である場合には
マシンメインでトレーニングメニューを組む
というのも戦略として有効です。
マシンなら軌道が固定されているためフォームがぶれることがなく、左右にほぼ等しい負荷をかけることができます。
また、スミスマシンを使えば、フリーウエイト種目と似た動きを実現しつつ、バーベルの傾きや左右の動作スピードの差を解消できます。
筋肥大を目指すうえでのトレーニングの効率としては
フリーウエイト>マシン
ですが、筋肉のバランスを追い求め、左右差解消を狙ううえでは、積極的にマシンを活用するのもいい戦略と言えそうです。

まとめ
- 筋肉の左右差はなぜ生まれるのか?
- 左右差と付き合っていくためのマインドセットは?
- 左右差を解消するための対策
について紹介してきました!
筋肉の左右差は、ある程度は仕方のないことなので、あまり気にしないのが一番。
とはいえ全く改善の余地がないわけではなく、原因を見つけて対策を打つことで、少しずつ改善していくことは可能です。
バランスのとれたかっこいい身体を目指し、左右差にも少し意識を向けつつトレーニングに励みましょう!
以上、『【筋トレで左右差が生まれるのはなぜ?】バランスよく鍛えるためのポイントを紹介!』でした!
