筋トレで「筋肉を追い込む」ためのテクニックは数多くありますが、なかでも最も有名といってもいいのが
ドロップセット
ではないでしょうか?
簡単に追い込め強烈なパンプ感も得やすく、多くのトレーニーに愛用されているのがドロップセット。
そんなドロップセットとはいったいどんなものなのか、やり方やメリットなどについて解説していきます!

ドロップセットとは
一般的に、筋トレと聞いて思い浮かべるのは
10回3セット、インターバル1分
というように、使用重量・回数・セット数を固定して行うトレーニングを想像する人が多いのではないでしょうか。
この方法は、ストレートセットと呼ばれています。
これに対してドロップセットは
- セット間にインターバルを挟まず
- 少しずつ使用重量を下げていき
- レップ数を固定せずに限界まで行う
というトレーニング方法。
筋肉の成長を狙うため、より徹底的に筋肉を追い込んでいくテクニックのひとつです。

ドロップセットのやり方
筋肉を徹底的に追い込んでいくためのテクニック
と聞くと、なにやら難しそうなイメージが湧くかもしれませんね。
確かにトレーニングテクニックの中には、難易度が高く上級者向けのものも多くありますが、実はドロップセットのやり方はいたってシンプル。
具体的なやり方は
インターバルを挟まずに、セットごとに重量を20~30%減らして限界まて動作を反復する
というだけです。
表にするとこんな感じ。
重量 | 回数 | |
1セット目 | 8~12RM | 8~12レップ |
2セット目 | 1セット目の70~80%の重量 | 限界まで |
3セット目 | 2セット目の70~80%の重量 | 限界まで |
4セット目 | 3セット目の70~80%の重量 | 限界まで |
例えば、サイドレイズでドロップセットを使い場合は以下のような感じになります。
重量 | 回数 | |
1セット目 | 10kg | 12レップ |
2セット目 | 8kg | 限界まで |
3セット目 | 6kg | 限界まで |
4セット目 | 4kg | 限界まで |
これをまとめて1サイクルとして、余裕があれば2~3サイクル繰り返す、といった感じです。
※RMとは、重量設定のやり方のひとつで、10RMなら10回ギリギリできて11回はできないような重量のことです。詳しくは以下の記事をご覧ください!
1セット目の重量やセット数に関しては、お好みで設定して大丈夫。
ある重量で限界が来て
これ以上続けられない
と感じたポイントから、さらに重量を落としてトレーニングを継続することでより筋肉への負荷を高めていくわけですね。

ドロップセットのメリット
追い込みテクとして有名なドロップセット。
そのメリットとしては
- 簡単に追い込める
- 短時間で追い込める
- 強烈なパンプ感を得られる
といったことが挙げられます。
では、それぞれ解説してきます。
簡単に追い込める
筋肉を限界まで追い込む、とはよく聞きますが、言葉でいうのは簡単なものの、実際にやってみるとこれが意外と難しい。
トレーニング後半、疲労が溜まってきているときなどには特に
- フォームがぶれやすくなる
- きつくて心が折れる
など、追い込むために乗り越えるべき障害は結構多いです。
が、ドロップセットには少しずつ重量を落としていくという特徴があるので、重量を固定したトレーニングと比べると最後まで正確なフォームを保ちやすくなり、精神的なハードルも低くなります。
限界まで追い込む
というと少し気後れしてしまう人もいるかと思いますが、そんな人でも手軽に挑戦できるのはドロップセットのメリットと言えるでしょう。
短時間で追い込める
通常のトレーニングで筋肉を追い込むためには、何セットもトレーニングをこなす必要があります。
セットごとにインターバルも挟むのが一般的なので、必然的にトレーニング時間は伸びてしまいがち。
その点、セット間にインターバルを挟まないドロップセットは、
TUT(筋肉に力が入り、収縮している時間)
が長くなるため、短時間の間にかなりハードに追い込むことができます。
1サイクルだけでもかなり強烈なパンプ感を得られるので、1~2分くらいで満足いくまで追い込めます。
忙しくい現代人にとって、毎回トレーニング時間を長くとって追い込み切るという戦略は現実的に少し難しい。
この点でも、短時間で追い込めるドロップセットは有効です。
強烈なパンプ感を得られる
ドロップセットの特徴をまとめると
- セット間にインターバルを挟まない
- 少しずつ重量を落として長時間筋肉を動作させ続ける
といった感じ。
これらの特徴によって
力を込めて筋肉を収縮させている時間(TUT)が長くなる
ことになります。
筋肉が長時間収縮していると
- 血流が制限される
- 乳酸が蓄積する
など、筋肉内の代謝環境が悪化していきます。
これがいわゆる「パンプアップ」という状態です。
代謝環境が悪化したことによって筋肉には化学的なストレスがかかり、そのストレスに適応するために筋肥大が引き起こされるのです。
つまり、
ドロップセットによってパンプパップを誘発し、筋肥大を促進できる
ということですね。
また、パンプアップするとめちゃめちゃ気持ちよく、トレーニングの充実度や達成感も段違いになるので、
パンプアップしやすい
ということそのものもドロップセットのメリットに挙げられます。

ドロップセットのデメリット
簡単に追い込めて筋肥大にも効果的なドロップセットですが、万能というわけにもいきません。
ドロップセットのデメリットとしては
- オーバートレーニングになりやすい
- あらかじめ器具を準備しておく必要がある
ということが挙げられます。
オーバートレーニングになりやすい
筋肉を追い込む
というのは筋肥大には大切な要素ですし、ドロップセットを用いる大きな目的のひとつでもありますが、
追い込みすぎ
というのも考えどころ。
実際にやってみると分かりますが、ドロップセットはかなりハードで身体への負担も大きくなります。
長期的に身体に大きな負担をかけすぎてしまうと、オーバートレーニング症候群に陥ってしまう可能性も。
特にドロップセットは、だんだん重量を落としていくので追い込みを継続しやすく、また、なによりパンプ感が楽しいのでついつい長くトレーニングしてしまいがち。
オーバートレーニングは、重症化すると日常生活にも影響を与えることがあるので、
追い込みすぎ
には注意する必要がありそうです。
あらかじめ器具を準備しておく必要がある
- セット間にインターバルを挟まない
- 少しずつ重量を落としていく
ドロップセットのこの2つの特徴を満たすには、あらかじめ使う器具を近くに用意しておくということが必須。
いちいち器具を取りに行っていては、セット間に時間が空いてしまい、それはもはやドロップセットとは言えません。
例えば、サイドレイズで
10kg→8kg→6kg→4kg
という刻み方でドロップセットをするためには、あらかじめ4種類の重さのダンベルを用意しておく必要があるわけです。
- ウエイトスタック式のマシンで行う時
- ジムに人が少なく、器具を占領しても迷惑にならない時
などには心配する必要はありませんが、混雑時や器具の使用状況によってはドロップセットは控えるべきタイミングもありそうです。
また、家でドロップセットを行いたい場合には
ワンタッチで重さを変えられるタイプの可変ダンベル
があると超便利です。
プレートを付け替えるタイプの可変ダンベルでは重量変更に時間がかかってしまうので、自宅でもドロップセットに挑戦したい場合はダンベル選びにも注意しましょう。

ドロップセットの注意点
では、ドロップセットを実践するうえで気を付けたいポイントについて解説していきます。
- フォームは常に正確に
- トレーニングの終盤に行う
フォームは常に正確に
これはドロップセットに限らずすべての筋トレに共通することですが、
正確なフォームにこだわる
というのは筋トレの効果を最大にするためにも非常に大切。
いくらセット数やレップ数を増やして追い込もうとしても
フォームが乱れてターゲットの筋肉に負荷がかかっていない
なんてことになれば全く意味がありません。
ドロップセットでは徐々に重量を落としていくため、他の追い込みテクニックと比べるとフォームは意識しやすいですが、それでも
最後まで正確なフォームを保ち続ける
という意識は持っておくべきです。
トレーニングの終盤に行う
筋肥大のスイッチとなる刺激には
- 物理的ストレス
- 化学的ストレス
の2種類があります。
ドロップセットは、そのうちの化学的ストレスにフォーカスした方法。
ドロップセット単体でも大きな化学的ストレスを与えられるため、筋肥大に対する効果はあります。
が、実は筋肥大には
化学的ストレスよりも物理的ストレスの方が有効
というのが近年の定説。
ドロップセットのみでは理想的な成長は期待できないわけです。
そんな物理的ストレスを高めるトレーニング方法としては
高重量のストレートセット
が基本中の基本。
トレーニング前半にドロップセットを行うと、疲労のせいで後半のメニューで高重量を扱えなくなってしまうので
トレーニング前半に高重量のストレートセットを行う
↓
トレーニング後半にドロップセットを行う
という流れでトレーニングを行いのがおすすめ。
この方法なら物理的・化学的ストレスを両方確保しつつ、筋肉がパンプアップした状態で気持ちよくトレーニングを終えることができます。
筋肥大の効率を高めるためにも、トレーニングの充実感を上げるためにも、通常のトレーニングとドロップセットを組み合わせるようにしましょう。

まとめ
追い込みテクニックとして有名なドロップセットについて紹介してきました。
簡単で実践もしやすく、筋肥大にも効果的なドロップセット。
ぜひ挑戦してみてください!
以上、『【筋トレ追い込みテクニック】ドロップセットのメリットとやり方を解説!』でした!
