筋トレの魅力のひとつは
少し工夫を加えるだけで劇的に質を向上させることができる
ということ。
トレーニングの質を高めるテクニックが数多くありますが、今回は中でもシンプルで簡単にトレーニングの質を高めることができる方法として
アイソテンション法
を紹介します!
簡単に実践できて応用の幅も広く、筋肥大やマンネリ化対策としても優秀なアイソテンション法。
この記事をきっかけに、ぜひ挑戦してみてください!

アイソテンション法とは
筋トレでより追い込んでいくためのテクニックのひとつ、アイソテンション法とは、一言でいうと
セット間に筋肉を完全に収縮させた状態で数秒間キープする(セット間にアイソメトリック収縮を取り入れる)
というテクニックです。
そのカギになってくるのは
アイソメトリック収縮
です。
筋肉の収縮の仕方には
コンセントリック収縮 | 筋肉が縮みながら力を発揮する局面 |
エキセントリック収縮 | 筋肉が伸びながら力を発揮する局面 |
アイソメトリック収縮 | 筋肉が伸び縮みせずに力を発揮する局面 |
という3種類があります。
このうち、普通筋トレで使うのはコンセントリック収縮とエキセントリック収縮。
ベンチプレスを例にとってみると、
バーベルを上げる動作→コンセントリック収縮
バーベルを降ろす動作→エキセントリック収縮
といった感じですね。
このように基本的に筋トレや筋肥大に効果的とされているのは、筋肉が動きを伴いつつ力を発揮するタイプの収縮。
本来アイソメトリック収縮は、それ単体では筋肥大効果はあまり期待できません。
プランクや空気椅子などのアイソメトリックトレーニングで筋肥大を起こしにくいことからもイメージしやすいですね。
が、実はアイソメトリック収縮も、通常の筋トレと組み合わせることで筋肉への刺激や筋肥大効果を高めることができるんです。
これを使ったのがアイソテンション法というわけです。

アイソテンション法の実践方法
では、アイソテンション法の具体的な使い方について紹介していきます。
セット間にアイソメトリック収縮を組み込む、というのがアイソテンション法の基礎。
アイソメトリック収縮を取り入れるタイミングとして
- メインセット前
- メインセット後
の2種類に分けられます。
それぞれについて、具体例を上げつつ解説していきます!
メインセット前
文字通り、メインセット前にアイソメトリック収縮を取り入れるアイソテンション法のバリエーション。
事前にターゲットの筋肉を数秒間収縮させておくことで軽くパンプさせ、その後のメインセットでよりターゲットを意識しやすくする
というのが目的です。
要は、今からこの筋肉を使いますよ!というスイッチとしてアイソメトリック収縮を使っているわけですね。
具体的な実践方法は、例えばベンチプレスなら以下のような感じ。
両手を胸の前で合わせてギューッと押し付け合い、大胸筋に力を入れる(10秒程度)
↓
上記を3セットくらい繰り返す
↓
ベンチプレスにうつる

メインセット後
メインセット後にアイソメトリック収縮を取り入れる場合には
筋肉の収縮時間を長くとり、より筋肉を追い込む
ということが目的になってきます。
普通のメインセットを終えた直後に全力で力を出し続けるアイソメトリック収縮を行うので、もちろんめっちゃきついですが、その分筋肥大効果も高くなります。
レッグエクステンションで例を見ていきましょう。
普通にレッグエクステンションのメインセットを行う
↓
すかさず補助の人にパッドを抑えてもらい、脚が動かない状態をつくる
↓
全力で脚を振り上げようとする(6~10秒)
補助してくれる人がいない場合にはウエイトを一番重く設定することで
脚が動かない状態(アイソメトリック収縮を実現できる状態)
をつくりましょう。

アイソテンション法のメリット
アイソテンション法を用いたトレーニングのメリットは以下のような感じ。
- ターゲットの筋肉への意識の向上
- トレーンング強度の向上
- 安全に追い込める
では、ひとつづつ解説していきます。
ターゲットの筋肉への意識の向上
アイソテンション法は、セット間も狙った筋肉を収縮させた状態をキープしておく方法。
つまるところ、
鍛えたい筋肉に力を入れている状態が長い
ということです。
長い時間にわたって筋肉の収縮を感じることができるので、
- どの筋肉が動いているのか
- どんな力の入れ方をしたら効きやすいのか
など、筋肉への意識、いわゆるマインドマッスルコネクションを高めやすくなります。
このマインドマッスルコネクションができるのとできないのでは、アイソテンション法に関わらず、あらゆる筋トレの質に天と地ほどの差がうまれます。
長期的に筋肉を成長させていくためにも大切なマインドマッスルコネクションを鍛えることができるのは大きなメリットです。
トレーンング強度の向上
通常のセットに加えてさらに6~10秒程度のアイソメトリック収縮を加えるアイソテンション法は、当然のことながらTUT(筋肉の収縮時間)が長くなります。
その結果、血流が制限される時間も長くなり、よりパンプアップを引き起こしやすくなります。
また、アイソメトリック収縮中は基本的に全力で力を入れ続けるため、筋肉にかかる物理的刺激がおおきくなるのも特徴のひとつ。
アイソテンション法を使えば、物理的、科学的な両側面から筋肥大にアプローチすることが可能なわけですね。
TUTについて詳しくはこちら!
安全に追い込める
限界まで追い込む、というのは筋トレの目的のひとつですが、実はこれが意外と難しい。
きつくなっても動作を継続するメンタルが必要なのはもちろんのことですが、肉体的な限界が近くなってもレップを続けるというのは想像以上に難しく、フォームが乱れて腱や関節に不自然な負荷がかかってしまうことも少なくありません。
その点、安全性という面ではアイソテンション法はかなり優秀。
それもそもはず、筋肉の関節も動かないアイソメトリック収縮を使って追い込んでいくわけなので、むしろケガしろと言われる方が難しいくらいです。

アイソテンション法のデメリット
筋肥大に効果的で安全、と、一見メリットだらけのように見えるアイソテンション法ですが、万能なわけではありません。
デメリットとしては、
種目によっては実践できない
ということが挙げられます。
基本的にアイソテンション法は、ひとつの関節と少数の筋肉のみが関与するアイソレーション種目では有効ですが、複数の関節と筋肉が関与するコンパウンド種目には向いていません。
というのも、
コンパウンド種目では、アイソメトリック収縮を実現できない(orできたとしても危険)
からです。
例えば、下半身のコンパウンド種目として代表的なスクワットを見ていきましょう。
完全に膝を伸ばしきった状態では脚の筋肉に負荷がかからないので、スクワットでアイソメトリック収縮を行うには
重たいバーベルを担ぎながらしゃがんだ状態をキープする
という危険極まりない行為が必要になります。
これでは膝や腰への負担が大きくなってしまうのはもちろんのこと、他の筋肉に負荷が抜けてしまうため、ターゲットを意識しやすいというアイソテンション法のメリットも活かせない。
そもそもきつすぎてキープできず、つぶれてしまう可能性も大きい。
できる種目が限られてくるのは、アイソテンション法の最大の弱点といえそうです。

まとめ
アイソテンション法の実践方法やメリット、デメリットについて紹介してきました。
小難しいテクニックやケガのリスクを伴う追い込み方も多い中、アイソテンション法は
- 安全
- 強度
を同時に追い求められる優秀なテクニックです。
ぜひアイソテンション法を使い、一段レベルの高いトレーニングに挑戦してみてください!
以上、『【安全に追い込むテクニック!】アイソテンション法を徹底解説!』でした!
