今回の記事では
筋トレにおいて、フリーウエイトのトレーニング(ダンベルやバーベルを使ったトレーニング)とマシントレーニング、いったいどちらを優先的に行ったらいいのか
ということについて解説していきます!
ただ単に筋トレといってもその種類はさまざまさ、ジムに行っても
- ダンベルやバーベルを使うか
- マシンを使うか
は意外と悩むところかと思います。
そんな時は、それぞれのトレーニングの特徴を理解し、目的に合わせてトレーニングメニューを考えていくことが有効。
ということで、フリーウエイト、マシンそれぞれの特徴や優先すべきトレーニング内容について見ていきましょう!

結論:どちらも大切
筋トレにおいてフリーウエイトとマシン、どちらを優先すべきか
この問に対する僕の意見は
どちらもメリットとデメリットがあり、使い分けることが大切
という感じ。
- フリーウエイトを徹底的にやりこむ
- マシンだけでメニューを組み立てる
という方法でも、もちろん筋肉を発達させることは可能。
しかし、毎回同じ方法のトレーニングにこだわってしまうと、筋肉が刺激に対して慣れてしまいます。
この刺激に対する慣れは、筋肉を成長させ続けるためにも避けたいところ。
長期的な目で見れば
フリーウエイトもマシンも、どちらも取り入れる
というのが一番効率的なわけです。
では、以下で
- フリーウエイト・マシンそれぞれの特徴
- おすすめの使い分け方
について解説していきます!

フリーウエイトの特徴
ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトトレーニングのメリットとデメリットは、以下のような感じ。
メリット
- 効率がいい
- 高重量を扱える
- 自由度が高い
効率がいい
ダンベルやバーベルは、動かすときの軌道が固定されていないため、
トレーニング中にウエイトをコントロールし続ける
ということが必要になってきます。
そのためには、
- バーベルを上げ下げする
- ダンベルを動かす
といったトレーニング本来の動きに加え、
- ウエイトの軌道を微調整する
- 身体のバランスを保つ
ためにも、ターゲットとなる筋肉意外の筋肉も動員することが必要になってきます。
例えば、胸をメインターゲットにしているベンチプレスでは、バランスを保ってきれいなフォームを維持するためには
三角筋前部・上腕三頭筋
などにも刺激がいきます。
このように、フリーウエイトを使ったトレーニングは、多くの筋肉を一気に鍛えることができるので効率がいいんです。
高重量が扱える
マシン、特にウエイトスタック式のマシンを使ったトレーニングでは、使用できる重量に限界があります。
設備が豊富なジムなら問題ないかもしれませんが、普通のジムなら、トレーニングを続けていくうちに
マシンの重さを上限ギリギリにしても少し物足りない
ということはけっこう出てきます。
特に
- チェストプレス
- レッグプレス
などは高重量が扱いやすいので、重りが足りなくなってしまうことも。
この点、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングなら、ほぼ無限に重量を伸ばしていくことができます。
少しずつ重量を上げていくことは、筋肉の成長にとって基本となってくる漸進性過負荷の原則を達成するうえでも大切。
さらにフリーウエイトには、多くの筋肉を動員するという特徴があるのでマシンよりも重たい重量を扱いやすく、トレーニングの強度を上げるのにも効果的です。
自由度が高い
フリーウエイトトレーニングでは、動作の軌道が固定されていません。
そのため、
- ウエイトを動かす軌道
- 手の向きや角度
- 可動域
などを自分好みに調節することが可能。
要は
トレーニングの自由度が高く、自分に適したトレーニングにカスタマイズしやすい
というメリットがあるわけです。
自分の好きなようにトレーニングを微妙に変化させることができるので
- より力を出しやすいフォーム
- 関節や腱が痛くならない動かし方
- ピンポイントでターゲットに効かせる角度
などを追求していくことができます。

デメリット
一方のフリーウエイトのデメリットは
- フォームが難しい
- ケガしやすい
- 初心者には勇気がいる
という感じ。
フォームが難しい
ウエイトの軌道が固定されていないという特徴は
- 多くの筋肉を動員できる
- トレーニングの自由度が高い
というメリットにもなるのですが、その反面、正確なフォームを習得するという点においてはデメリットとなってしまいます。
筋トレは、ただ単にウエイトを上げ下げするのではなく、
正確なフォームで狙った筋肉に負荷をかける
ということが大切。
言葉でいうのは簡単ですが、実はこれがかなり難しく、特にフリーウエイトでは、軌道や角度の自由度が高いが故に正確なフォームの周到は困難になります。
トレーニングを始めて間もないころにでたらめなフォームで行ってしまうと
- おかしなフォームがクセになる
- 関節や腱への負担が大きくなる
という危険もあるので、軽めの重量でフォームの練習を行うなど、対策を練る必要はありそうです。

ケガしやすい
先ほども触れたように、フリーウエイトのトレーニングでは、どうしてもフォームの取得が難しく、また、フォームのブレも起こりやすくなってしまいます。
加えてフリーウエイトでは高重量を扱いやすいため、関節や腱への負担は、マシンを使ったトレーニングよりもかなり大きくなってしまいます。
関節や腱は消耗品。
かかった負担は徐々に蓄積され、気づかない間にケガを引き起こしてしまうこともあるので
ケガしやすい
というのもフリーウエイトのデメリットと言えるでしょう。
初心者には勇気がいる
直接的にトレーニングと関係することではないですが
初心者のうちはフリーウエイトを使うことに抵抗があることが多い
というのもデメリットに挙げられるでしょう。
ダンベルやバーベルを使ったトレーニングというと、本気で鍛えているゴリゴリのマッチョだらけというイメージを持っている方も多いでしょう。
実際、僕は3年ほどスポーツジムでトレーナーとしてアルバイトをしているのですが、トレーニングを始めて間もないお客様の中には
フリーウエイトのエリアはマッチョだらけなイメージで少し怖いし、自分なんかがフリーウエイトでトレーニングするのはまだ早い
と、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングに踏み出せないでいる方をよく見かけます。
実際は「フリーウエイトエリアはマッチョだらけ」なんてことはなく、初心者の片にもいろんな種類のトレーニングを楽しんでほしいのですが、
心理的なハードルが高い
というのもフリーウエイトのデメリットと言えるでしょう。

マシンの特徴
フリーウエイトに対して、マシンを使ったトレーニングのメリットとデメリットは以下のような感じ。
メリット
- フォームが簡単
- 安全に追い込める
- トレーニングテクニックを併用しやすい
フォームが簡単
フリーウエイトに対して、マシンの最も大きな特徴は
トレーニング中の軌道が固定されている
ということ。
マシンによって軌道が固定されているので、小難しいフォームに気を遣う必要がなく、とりあえず力を出すくらいのイメージでも狙った部位に効かせることができます。
要は、余計なことを考えずにターゲットの筋肉にフォーカスしていけるということですね。

安全に追い込める
こちらも、軌道が固定されているという特徴ゆえに生まれるメリット。
フリーウエイトでは
高重量を扱うほどフォームの維持が大変になるし、疲れてくるとフォームがぶれやすくなる
という弱点がありました。
そのため腱や関節への負担が大きくなることも。
一方のマシンでは、マシンの軌道に沿って身体を動かすだけでいいので
- バランスを崩す
- 腱や関節に余計な負担がかかる
- 限界が来た時に潰れてしまう
といった危険がないわけです。
マシンなら、安全を確保したまま、自分の限界まで追い込みやすいということですね。
トレーニングテクニックを併用しやすい
筋トレで筋肉を追い込んでいくには、さまざまなトレーニングテクニックを応用していくのが有効。
マシンのメリットとしても
追い込むためのテクニックとの相性がいい
ということも挙げられます。
特にウエイトスタック式のマシンでは、ピンを差し替えるたけで使用重量を一瞬で変えられるので
- ドロップセット
- アイソテンション法
などのテクニックとの相性が抜群。
さらに、レッグエクステンションなどのコントラクト系種目用マシンなら
- ピークコントラクション法
なども使いやすくなります。
ドロップセット、アイソテンション法、ピークコントラクション法については以下の記事で解説しています!
デメリット
一方のデメリットとしては
- 効率は良くない
- エキセントリック収縮時の負荷が小さくなる
ということが考えられます。
効率は良くない
軌道が固定されているためバランスを保つ必要がないというマシンならではの特徴は
- 簡単さ・手軽さ
- 安全性の高さ
といった強みにもなりますが、
トレーニングの効率
という観点からは弱点になってしまうことも。
というのも、身体のバランスを保つ必要がないので補助的に使われる筋肉が少なく、
- 胸のトレーニングなら胸だけ
- 背中のトレーニングなら背中だけ
といった風に、特定の少数の部位にしか刺激を与えることができないからです。
- トレーニングは効率を追求したい
- 1種目で多くの筋肉を鍛えたい
という場合には、やみくもにマシンを使うのは考えた方がよさそうです。

エキセントリック収縮時の負荷が小さくなる
筋トレは、基本的に
コンセントリック収縮(ポジティブ動作・ウエイトを上げる動き)
↓
エキセントリック収縮(ネガティブ動作・ウエイトを下ろす動き)
という2種類の動きの連続でできています。
このうち、特にエキセントリック収縮は、より大きな力を発揮しやすく、筋肥大のきっかけとなる筋繊維の損傷を引き起こすうえでも効率のいい動作。
エキセントリック収縮でいかに負荷をかけるかが筋肥大に直結する
といっても過言ではありません。
しかしマシンでは、ベルトやケーブルの摩擦のせいでウエイトを下ろすときの負荷が小さくなってしまい、エキセントリック収縮時の負荷が抜けやすくなってしまいます。
そのため
- トレーニングの総合的な強度
- 筋繊維の傷つけやすさ
という点ではフリーウエイトに一歩劣ってしまいます。

フリーウエイト・マシンの使い分け方
フリーウエイトとマシン、それぞれの特徴について見てきました。
どちらも一長一短で、目的に応じて使い分けることが大切だということはイメージしてもらえたかと思います。
では、
フリーウエイトとマシンはどんな風に使い分けていけばいいのか
について紹介していきます!
おすすめはの方法は2つ。
- フリーウエイト→マシン
- マシン→フリーウエイト
です。
フリーウエイト→マシン
これがおそらく一番オーソドックスな使い分け方。
高重量のフリーウエイト
↓
追い込みを意識したマシン
という順番でトレーニングを行っていく方法です。
まずは筋肉に疲労が溜まっていない状態で高重量のフリーウエイト種目を行い、多くの筋肉を効率よく鍛えつつ物理的な刺激を高めていきます。
その後、トレーニング後半にマシンに移り
- 安全に限界まで追い込む
- 特定の部位への意識を高める
- パンプアップさせて化学的刺激を高める
という意識で追い込みをかけていきます。
例を挙げると、
ベンチプレス(高重量)
↓
ペックフライ(追い込み重視)
といった感じですね。

マシン→フリーウエイト
今度は逆に、マシンを先に行う方法。
筋肉を追い込んでいくというよりは
対称筋への意識(マインドマッスルコネクション)を高め、1レップの質を向上させる
ということを目的とした方法です。
最初にマシンを使って特定の部位のみに刺激を与えて、その後にフリーウエイトに移ることで、多くの筋肉を使うフリーウエイトでもターゲットの筋肉を意識しやすくなります。
例としては
レッグエクステンション
↓
スクワット
といった感じですね。
イメージとしては、事前予備疲労法を応用するような感じです。
フリーウエイトを先に行う場合よりは、少し重量を落とすようにしましょう。
事前予備疲労法について詳しくはこちら!
まとめ
フリーウエイトとマシン、どちらを優先すべきかということについて解説してきました。
結論としては
「どちらかだけ」ではなく、「どちらも大切」
といのが僕の意見です。
フリーウエイト・マシンを使いこなし、ぜひ自分の目的に合ったトレーニング方法を見つけてください!
以上、『【大切なのはどっち?】筋トレでフリーウエイトとマシンはどちらを優先すべき?』でした!
