トレーニングメニューを組み立てるうえで、
全身法にするか、それとも分割法にするか
は意外と悩みどころ。
どちらも使い方によっては有効な方法ですが、その特徴は一長一短。
明確に「こっちの方法の方が効果的」と言い切ることはできませんが、それぞれのメリットとデメリットを考え、自分のトレーニング週間や生活スタイルに合わせて筋トレをカスタマイズしていくことは大切です。
ということで本記事では
全身法と分割法のメリット・デメリット
を解説し、
おすすめのトレーニングルーティーンの組み方
について紹介していきます!

全身法のメリット・デメリット
全身法とは、その名の通り
1回のトレーニングで全身の筋肉を一気に鍛える
というトレーニング方法。
今となってはそこまで主流のトレーニング方法ではなくなってしまいましたが、1950年台まではボディビルダーの間でも全身法が主流でした。
具体的なトレーニングルーティーンは以下のような感じです。
月曜日 | 全身トレ |
火曜日 | オフ |
水曜日 | 全身トレ |
木曜日 | オフ |
金曜日 | 全身トレ |
土曜日 | オフ |
日曜日 | オフ |
全身法のメリット
- 1回のトレーニングでの消費カロリーが大きい
- 1回のトレーニングでの疲労感・充実感が大きい
- 少ない頻度でも全身を効率よく鍛えられる
全身法のデメリット
- 各部位のトレーニングボリュームが少なくなりがち
- 1回のトレーニングがハードなので、しっかり休む必要がある
- 筋肉の細かな鍛え分けができない
- 特定の部位を追い込むことが難しい

分割法のメリット・デメリット
全身法に対して分割法は
筋肉をいくつかの部位に分けて、1回のトレーニングで特定の部位のみを鍛える
という方法。
ボディビルダーの間では1960年台ごろから行われはじめ、現在でも主流のトレーニング方法です。
分割の仕方は3分割、4分割、5分割など様々ですが、例えば全身を5つの部位に分割する場合のトレーニングルーティーンは以下のような感じ。
月曜日 | 胸 |
火曜日 | 背中 |
水曜日 | 脚 |
木曜日 | 肩 |
金曜日 | 腕 |
土曜日 | オフ |
日曜日 | オフ |
分割法のメリット
- ターゲットの筋肉を意識しやすい
- ターゲットの筋肉を追い込みやすい
- 特定の部位に対するトレーニングボリュームを確保しやすい
- 1回のトレーニング時間が短い
- 細かい鍛え分けが可能
分割法のデメリット
- トレーニング頻度が多くなるため、忙しい人は実践しにくい
- 各部位のトレーニング頻度が下がる
- 初心者のうちは狙った部位を追い込み切れない

全身法と分割法はどっちがおすすめ?
全身法と分割法の特徴を理解したところで、
いったいどっちの方法がおすすめなのか
について、紹介していきます。
僕の個人的な考えとしては、ずばり
- トレーニングのレベル
- トレーニングの頻度
によって全身法と分割法を使い分けるのが最適だと思っています。

レベル別おすすめルーティーン
その人のトレーニングのレベル(初心者・中級者・上級者)によって、
- 全身法と分割法のどちらが最適なのか
- 分割するならどんな分け方がいいのか
は変わってきます。
個人的には以下のようなトレーニングルーティーンがおすすめ。
初心者:全身法
トレーニングを始めて間もない初心者のうちは、高重量が扱えず、そもそもトレーニングの動作にもなれてもいないため
- 高重量を扱ってトレーニングの強度とボリュームを確保する
- 狙った部位に効かせる
- 特定の部位を追い込む
といことができません。
要は、分割法を取り入れたところで、そのメリットを活かしきれないわけです。
中途半端に分割法を取り入れるくらいなら
筋トレの基礎となる種目を中心に、週3回程度の全身トレーニングを行うほうが効果の効率もいい
というのが僕の考え。
筋トレの基礎となる種目とは
- ベンチプレス
- スクワット
- デッドリフト
のビッグ3と言われるもの。
これらの種目は初心者でも高重量を扱いやすく、全身を効率的に鍛えることができる超優秀なトレーニングです。
ビッグ3でトレーニングの基礎を作っておくと、その後の伸びも段違いになってくるため
トレーニングを始めて数カ月から1年くらいは週に数回、ビッグ3をメインにした全身法を採用する
というのがおすすめです。

中級者:全身法or大きく分けた分割法
トレーニングを始めて1~2年くらい経つと、
- そこそこの高重量が扱えるようになる
- 正確なフォームが固まってくる
- 筋肉に「効かせる」感覚がつかめてくる
ようになってきます。
そのまま全身法を継続しても全く問題ないのですが、このあたりで分割法を取り入れるのも有効。
分割法を取り入れると、
- 狙った部位に効かせやすくなる
- 追い込みやすくなる
- 特定の部位のトレーニングボリュームを稼ぎやすくなる
といったメリットがあるので、さらなる成長を求める中級者の方にはぴったり。
また、トレーニング種目も増やすことができるので、新鮮な刺激を得ることもできます。
ここで注意したいのが
細かく分割しすぎない
ということ。
筋トレにおいて大切な要素ひとつが、トレーニングの頻度。
筋肥大には、各部位週に2~3回のトレーニングが最適とされています。
あまりにも細かく部位分けをしすぎると、各部位のトレーニング頻度が下がってしまい、かえって成長が停滞してしまうこともあります。
中級者の方が分割法を取り入れるなら
- 2分割(上半身/下半身・プッシュデイ/プルデイ)
- 3分割(プッシュデイ/プルデイ/レッグデイ・胸と背中/腕と肩/脚)
などの大きな分割がおすすめです。

上級者:分割法
トレーニングも数年続けていくと、扱う重量も、トレーニングの刺激に対する筋肉の耐性も上がってきて、全身法で追い込むということがほぼ不可能になってきます。
そのため、ある程度トレーニング経験のある人は、分割法を取り入れて、
狙った部位へのボリュームと強度を確保し、しっかり追い込む
ということを意識するといいでしょう。
ここでも分割はあまり細かくしすぎないのがおすすめ。
トレーニング頻度は各部位週に2回程度は確保したいので、2~4分割くらいがおすすめです。

頻度別おすすめルーティーン
トレーニングの頻度によっても全身法が最適なのか分割法を取り入れるべきなのかは変わってきます。
基本的に、
筋トレ後の24~72時間は筋タンパク合成が活発になり、その後は通常のレベルに戻る
と言われています。
つまり、
一度トレーニングした部位を24~72時間後にもう一度トレーニングすれば、常に筋タンパク合成が高い状態を維持できる
ということ。
これを踏まえると、
各部位週に2~3回トレーニングできるようにルーティーンを組む
というのが最も効率のいい方法ということになります。
逆に言えば、
一度トレーニングした部位を72時間以上ほっておくのは、筋肉の成長という観点から見るともったいない
ということですね。
具体的に、週にトレーニングできる回数とおすすめのルーティーンは以下のような感じ。
週に1~3回筋トレ:全身法
週に1~3回しかトレーニングできない場合は、全身法がおすすめです。
分割してしまうと各部位のトレーニング頻度を確保できず筋肉の成長から見ると「もったいない」時間が長くなってしまいます。
具体的なルーティーンは以下のような感じ。
月曜日 | 全身トレ |
火曜日 | オフ |
水曜日 | 全身トレ |
木曜日 | オフ |
金曜日 | 全身トレ |
土曜日 | オフ |
日曜日 | オフ |

週に4回筋トレ:2分割
週に4回トレーニングできる場合は
2分割で各部位週に2回トレーニング
というのがおすすめ。
各部位のトレーニング頻度を確保しつつ、分割することでトレーニングの種目やバリエーションにも幅を持たせることができます。
月曜日 | 上半身 |
火曜日 | 下半身 |
水曜日 | オフ |
木曜日 | 上半身 |
金曜日 | 下半身 |
土曜日 | オフ |
日曜日 | オフ |

週に5回筋トレ:2分割または3分割
週に5回トレーニングできる場合も分割法がおすすめ。
これくらいのペースでトレーニングできるようになると、ある程度細かく分割しても「もったいない」期間は短くすることができます。
おすすめルーティーンは以下のような感じ。
月曜日 | プッシュデイ |
火曜日 | プルデイ |
水曜日 | レッグデイ |
木曜日 | オフ |
金曜日 | プッシュデイ |
土曜日 | プルデイ |
日曜日 | オフ |

週に6回筋トレ:3分割
週6でトレーニングする方には3分割がおすすめ。
各部位のトレーニング頻度を保ちつつ、1回のトレーニングでのボリュームやバリエーション、追い込み具合も追及していけます。
具体的なルーティーンはこんな感じ。
月曜日 | プッシュデイ |
火曜日 | プルデイ |
水曜日 | レッグデイ |
木曜日 | プッシュデイ |
金曜日 | プルデイ |
土曜日 | レッグデイ |
日曜日 | オフ |
ちなみに、筋トレが大好きで
毎日筋トレしたい!
という方も少なくないと思いますが、個人的に週7筋トレはお勧めできません。
1回のトレーニングの質を高めることができていれば、週7でのトレーニングは明らかにオーバーワーク。
筋肉の成長のためには身体を休ませることも大切なので、少なくとも週に1日くらいはオフをつくるべきだと思います。

まとめ
全身法と分割法の特徴について解説し、レベルやトレーニング頻度別におすすめのトレーニングルーティーンを紹介してきました。
個人の生活習慣やトレーニングの目的のよって、全身法が最適なのか、それとも分割法のほうが有効なのかは変わってきます。
この記事が、みなさんが最適なトレーングルーティーンを見つける手助けになれば幸いです。
以上、『【具体例あり!】全身法と分割法はどっちがおすすめ?』でした!
