筋トレをしていると
可動域を広くとり、フルレンジでトレーニングしたほうがいい
ということはよく耳にする基本中の基本。
可動域を狭くする(パーシャルレップ法)のは、筋肥大には効率が良くないというのが一般的です。
が、そんなパーシャルレップ法が筋肉の成長にまったく無意味かというと、実はそんなことはないんです。
ということで今回の記事では
パーシャルレップ法のメリットや効果的な活用方法
について紹介していきます!

パーシャルレップ法とは
パーシャル(Partial・部分的)という名前からも推測できるように、
フルレンジではなく、あえて可動域を狭めて行うレップ(反復動作)
のことをパーシャルレップといいます。
これを応用するのがパーシャルレップ法。
筋トレのにおいては
可動域を広くとって筋肉をしっかり収縮・伸展させる
というのが基本的。
あえて動作範囲を狭くするパーシャルレップ法は、基本からは逆行しているようにも見え、
- さぼっている
- 楽している
と勘違いされることもありがちですが、実は使い方次第では筋トレの効果を引き出すことができるんです。
パーシャルレップ法の効果・メリット
フルレンジのトレーニングと比べると軽視されがちなパーシャルレップ法ですが、そのメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 限界まで追い込める
- 一人でも安全に追い込める
- 高重量を扱える
- 停滞期打破に効果的
では、ひとつずつ解説していきます。
限界まで追い込める
筋トレ界ではよく
限界まで追い込め!
と言われます。
言葉でいうと簡単そうに聞こえますが、限界まで追い込むというのは実は意外と難しい。
フルレンジではもう1レップもできそうにないけど、微妙に余裕は残っている気がする
といった状況はけっこう多いのではないでしょうか?
こんなときにより細かく追い込めるテクニックがパーシャルレップ。
可動域を狭くして1レップの負荷を下げることで、より限界に近いところまで追い込みやすくなるんです。
一人で安全に追い込める
限界まで追い込むとはすなわち、自分の肉体的な限界を超えた負荷に挑むということ。
身体への負担が大きくなり、フルレンジのまま追い込もうと思うと、
レップの途中に限界が来て、自力では持ち上げられなくなってしまう
ということもけっこうあります。
要は
潰れてしまう可能性があり危険
ということですね。
特に高重量を扱いやすいバーベル種目では、つぶれてしまった場合にケガにつながる危険も大きく、本気で追い込むためにはだれかほかの人に補助についてもらう必要がでてきます。
一方パーシャルレップでは、可動域が狭くなり1レップの負荷も減るため、自分一人でも比較的安全に追い込めるわけです。

高重量を扱える
高重量を扱うことによって筋肉にかかる物理的ストレスを大きくすることは、筋肉の成長を狙ううえでとても大切な要素のひとつ。
可動域が狭まり1レップに必要な筋力がフルレンジのトレーニングよりも減るパーシャルレップ法では、必然的に普段よりも高重量を扱いやすくなります。
その結果、普段感じないような強い物理的ストレスを与えることができるわけです。
また、高重量を扱うと、
筋肉を動かすための神経系の発達
も促すことができます。
神経系が発達すればより効率よく筋力を発揮できるようになるため、最大筋力を伸ばすという目的でもパーシャルレップ法は優秀です。
停滞期打破に効果的
長期的に筋トレを続けていると必ずといっていいほど立ちふさがって来る問題が停滞期。
- 筋肉が大きくなっている感覚がない
- 長い間、使用重量が伸びない
- なんとなくマンネリ化している感じがする
こんな風に思い始めたら要注意です。
そんな停滞期を抜け出すための有効な手段が
筋肉に普段とは異なる刺激を与える
ということ。
基本的に普段はフルレンジのトレーニングをすることが多いと思うので、
- 可動域
- 使用重量
など、普段とは違う刺激が入るパーシャルレップ法は、停滞期を打ち破る起爆剤としても使うことができます。

パーシャルレップ法のバリエーション
一口にパーシャルレップ法と言ってもその方法は一種類だけではありません。
大きく分けると
- フルレンジ→パーシャルレップ
- 最初からパーシャルレップ
という2つのやり方があります。
それぞれ特徴があり、使い分けていくと効果的。
ということで、それぞれの特徴やメリットについて解説していきます。
フルレンジ→パーシャルレップ
通常通りフルレンジのトレーニングと行う
↓
限界がきたら可動域を狭くして2~3レップ繰り返す
というやり方。
可動域をより細かく設定して
フルレンジ
↓
可動域を半分くらいにしたパーシャルレップ(2~3レップ)
↓
さらに可動域を半分にしたパーシャルレップ(2~3レップ)
といった感じで、自分の気が済むまで追い込んでいくことも可能です。
特徴としては、
- セットの前半にはフルレンジの動作を行うため筋肉を収縮・伸展させやすい
- より限界近くまで追い込める
といった感じです。
収縮・伸展を意識しつつトレーニングの強度を高めていけるので
筋肥大を狙い、より追い込みたい!
という人におすすめの方法です。

最初からパーシャルレップ
文字通り、
1レップ目からパーシャルレップで行う
というバリエーション。
特徴としては、最初からパーシャルレップを使うので、普段よりも高重量を扱えるということ。
例えば、普段フルレンジのベンチプレスを100kgで行っている人なら、140kgくらいは扱えると思います。
高重量を扱って神経系にも刺激を与えつつ、普段とは異なる刺激を得られるので、
- 停滞期を乗り越えたい
- 最大筋力を伸ばしたい
という方におすすめ。
ちなみに、ラックのセーフティーバーをあらかじめ可動域が狭くなるようにセットしておくと、より安全に高重量にチャレンジできます。

パーシャルレップ法の注意点
とまあこんな風に、筋肉の成長へのメリットが多く、目的によってバリエーションを使いこなすこともできるパーシャルレップ法ですが、実践する際には注意すべきことも。
- 目的を理解したうえで実践する
- フルレンジのトレーニングと組み合わせる
- フォームは正確にする
ということは常に頭の片隅に置いておく必要があります。
目的を理解したうえで実践する
パーシャルレップ法は効果的なトレーニングテクニックのひとつではありますが、あくまでもテクニックはテクニック、筋トレの最も根本のベースになってくるのは、やはりフルレンジです。
できることなら、高重量のフルレンジトレーニングで限界まで追い込むのに越したことはありません。
- より追い込むため
- 神経系の発達を促すため
- 停滞期を乗り越えるため
などの目的意識を明確にしていないと、パーシャルレップ法はただのさぼりと大差なくなってしまいます。
なんのためにパーシャルレップ法を使うのかはつねに意識しましょう。
フルレンジのトレーニングとと組み合わせる
先ほども触れたように、筋トレの基本はフルレンジ。
パーシャルレップ法は
- 追い込み
- 筋力向上
- 停滞期打破
には効果的なテクニックですが、やはり筋肥大や基礎的なトレーニング技術の向上などはフルレンジに一歩劣ります。
また、パーシャルレップ法ばかりやりすぎると、クセがついてフルレンジの動作がスムーズにできなくなってしまう可能性もあります。
パーシャルレップ法をメインにするのではなく、フルレンジのトレーニングとうまく使い分けていくことが大切です。
フォームは正確にする
パーシャルレップ法では可動域は狭くするものの、フォームを雑にするというのは禁物。
特に高重量を扱うことも多いので、筋トレの効率を上げるのはもちろんのこと、ケガを避けつつ楽しく安全にトレーニングするためにも、正確なフォームにはこだわりましょう。
まとめ
意外と軽視されがちながらも使い方によっては効果的なトレーニングテクニック、パーシャルレップ法について紹介してきました。
- 追い込みたい人
- 神経系を発達させて筋力を伸ばしたい人
- 停滞期に入ってしまった人
などにはかなりおすすめの方法です。
パーシャルレップ法をうまく取り入れて、楽しいワークアウトライフを送りましょう!
以上、『【フルレンジだけじゃない!】筋肉に効かせるためのパーシャルレップ法!』でした!
