今回の記事では、「ドミニカン・ドミネーター」の異名を持つボディビルダー、ビクター・マルティネスについて紹介します。
アーノルドクラシックやMrオリンピアなど、数々の大会でその異名に恥じない好成績を残しているビクターはいったいどんな人物なのでしょうか?
彼の生い立ちや経歴について見ていきましょう。

プロフィール
本名:ビクター・マルティネス(Víctor Martínez) 愛称:Dominican Dominator 出身:ドミニカ共和国、サン・フランシスコ・デ・マコリス 生年月日:1973年7月29日 身長:175cm 体重:108.8-124.7kg 胸囲:150cm 上腕:52cm ウエスト:86cm 大腿:76cm カーフ:48cm 前腕:40cm
経歴
生い立ち
ドミニカ共和国で生を受けたビクター・マルティネスは生後まもなくアメリカへ移住し、ニューヨークで幼少期を過ごしました。
幼いころからスポーツが大好きで競争心の強い子供だったビクター。
さまざまなスポーツに挑戦していき、高校ではアメフト部に所属しながら野球やバスケの試合にも出場していました。
ボディビルとの出会い
マーベルのヒーローやWWFのレスラーのような肉体になんとなくあこがれを抱いていたビクター。
高校を卒業後、そのあこがれはボディビルへの興味へと変わっていきました。
次第にボディビルの魅力に取りつかれ、トレーニングに打ち込むようになっていきます。
その結果、19歳になるころにはすでにビルダー顔負けの肉体を手に入れていました。
ボディビルダーとして
1993年に初めて出場した大会では、10代部門でいきなり優勝してしまいました。
この結果をうけ、さらにボディビルにのめりこんでいったビクターですが、すべてがうまくいったわけではありません。
2回目の大会では27位と惨敗。
敗北を真摯に受け止めたビクターはその後大会から遠ざかり、徹底的に弱点改善に集中します。
その結果、1997年にステージに戻ってきたビクターは2つの大会で優勝し、完全復活を果たしました。
プロへ
次第にプロを意識し始めたビクターは、2000年の「NPC Nationals」を目標にさらにハードなトレーニングをこなしていきます。
その甲斐あって見事優勝を果たしたビクターはプロカードを獲得。
ドミニカ出身の選手としては史上2人目のプロボディビルダーになりました。

プロとして
2001年、「Night of Champions」8位という結果でプロデビューしたビクターは、その後もめきめきと実力をつけていきます。
2003年には同大会で優勝するまでに成長し、2004年には世界最高の大会、Mrオリンピアへの出場を果たします。
特に2007年のビクターの身体は素晴らしく、「Arnold Classic」で優勝、「Mr. Olympia」では準優勝を果たします。
このときの「Mr. Olympia」ではジェイ・カトラーに敗れはしたものの、このジャッジに疑問を感じたファンに
「真の勝者はビクター・マルティネスだ」
と言わしめるほどの身体を持ってきました。
2008年は左ひざの腱を損傷して大会からは遠ざかってしまうものの、2009年に復帰した後もトップビルダーとしての彼の活躍は続きます。
数々の大会で優勝、上位入賞などの華々しい成績を残し、トップビルダーとしての地位と人気を確固たるものにしていきました。
そして現在、2020年に47歳になってなお第一線で活躍し続けています。
私生活
ビクターはボディビルダーとして世界トップで活躍する一方、食品会社のオーナーという顔も持っています。
また、2人の息子と3人の娘に恵まれ父親としての一面もあります。
さらにビクターは人権活動家としても有名で、自閉症の子供の支援などを積極的に行っています。
大会成績
1993 Elmo's Gym, Teenage 1位
1994 NPC Bev Francis Atlantic States 27位
1997 NPC New Jersey Suburban State Bodybuilding Contest 1位
1997 NPC New York Metropolitan Championships 1位
1999 NPC Bev Francis Atlantic States 16位
2000 NPC Junior USA, Heavyweight 1位
2000 NPC Nationals 1位(プロカード取得)
2001 IFBB Night of Champions 8位
2002 IFBB Arnold Classic 13位
2002 IFBB Ironman Pro Invitational 9位
2003 IFBB Night of Champions 1位
2004 IFBB Mr. Olympia 9位
2004 IFBB GNC Show of Strength Pro Championship 1位
2005 IFBB Arnold Classic 7位
2005 IFBB New York Pro Championship 3位
2005 IFBB Mr. Olympia 5位
2005 IFBB San Francisco Pro Invitational 5位
2006 IFBB Arnold Classic 3位
2006 IFBB Mr. Olympia 3位
2007 IFBB Arnold Classic, 1st
2007 IFBB Mr. Olympia 2位
2009 IFBB Arnold Classic 2位
2009 IFBB Mr. Olympia 6位
2010 IFBB Mr. Olympia 8位
2011 IFBB Arnold Classic 3位
2011 IFBB Mr. Olympia 4位
2011 IFBB Arnold Classic Madrid 1位
2013 IFBB New York Pro Championship 2位
2013 IFBB Toronto Pro Supershow 1位
2013 IFBB Mr. Olympia 11位
2013 IFBB Arnold Classic Madrid 5位
2014 IFBB Mr. Olympia 8位
2014 IFBB Arnold Classic 4位
2015 IFBB Mr. Olympia 9位
2016 IFBB Baltimore Pro 1位
2017 IFBB Muscle Mayhem 1位

トレーニング
マスモンスターたちと渡り合える筋肉量だけでなく、バランスよく、均整のとれた体で有名なビクター。
明確な弱点部位が見つかったときはその部位だけ週に3回鍛えるなどして身体全体のプロポーションを整えているそうです。
また、彼は高重量低レップのトレーニングが好きで、この方法がサイズをつけるには一番効果的だと思っているようです。
有酸素運動やHIITトレーニングは減量期にしかしないそうです。
具体的なトレーニングメニュー例は以下の通りです。
胸
インクラインベンチプレス | ウォームアップ15回2セット、メイン10回3セット |
インクラインダンベルフライ | 10回3セット |
ハンマーストレングスバーチカル | 10回3セット |
マシンベンチプレス | 10回3セット |
ダンベルプルオーバー | 10回3セット |
背中
プルアップ | 10-12回4セット |
フロントラットプルダウン | 10-12回4セット |
Tバーロウ | 10-12回4セット |
ワンアームダンベルロウ | 10-12回4セット |
シーテッドケーブルロウ | 10-12回4セット |
肩
ダンベルローテーターカフ | 15-20回5セット |
バーベルクリーン&プレス | 8回3セット |
ダンベルラテラルレイズ | 12回3セット |
スタンディングシングルダンベルプレス | 10-12回3セット |
リアデルトマシン | 12-15回3セット |
バーベルアップライトロウ(ワイドグリップ) | 12回3セット |
上腕二頭筋
ダンベルカール | 10回3セット |
バーベルカール | 10回3セット |
コンセントレーションカール | 10回3セット |
ハンマーカール | 10回3セット |
上腕三頭筋
クローズグリップベンチプレス | 10回3セット |
ディップス | 10回3セット |
ローププッシュダウン | 10回3セット |
ダンベルキックバック | 10回3セット |
脚(大腿四頭筋)
レッグエクステンション | 15-20回3セット |
レッグエクステンション | 15-20回3セット |
レッグプレス | 15-20回4セット |
ランジ | 15回4セット |
ハムストリングス
シーテッドレッグカール | 20回4セット |
スタンディングワンレッグカール | 12-15回4セット |
ライイングレッグカール | 12-15回4セット |
スティフレッグデッドリフト | 12-15回4セット |
カーフ
スタンディングカーフレイズ | 12-20回4セット |
シーテッドカーフレイズ | 15-20回4セット |

食事
トップビルダーとして、ビクターはもちろん食事にも気を使っています。
タンパク質は体重1kgあたり3-4g摂取し、食べ物もクリーンなものにこだわっています。
精神的なストレスや代謝の促進のためにチートミールを食べることもあるそうです。
また、トレーニングの中でも背中と脚は特にハードだと考えており、背中と脚のトレーニングの後は積極的に栄養を摂取するそうです。
実際の食事メニュー例は以下の通りです。
オフシーズン
1食目 | プロテイン1杯 |
2食目 | 卵白10個、オートミール2カップ |
3食目 | 赤身ステーキ283g、玄米1カップ |
4食目 | チキン283g、ポテト283g |
5食目 | サーモン283g、ブロッコリー1カップ |
6食目 | 赤身ステーキ227g、ブロッコリー1カップ |
減量期
1食目 | マルチビタミン |
2食目 | 卵白12個、オートミール2カップ、グルタミン |
3食目 | とりむね肉340g、ポテト1個 |
4食目 | 赤身ステーキ340g、玄米1カップ |
5食目(トレーニング前) | プレワークアウト |
6食目(トレーニング後) | プロテイン2杯(脚と背中のトレーニングの後は3杯) |
7食目 | ステーキ340g、米かポテト |
8食目 | とりむね肉340g、サラダ |
9食目 | 魚340gかプロテイン |
10食目 | ファットバーナー |

まとめ
ドミニカン・ドミネーター、ビクター・マルティネスについて紹介してきました!
その異名に恥じない素晴らしい肉体を経歴を誇るビクター。
彼のような肉体を目指してトレーニングに励みたいですね!
以上、『ビクター・マルティネスってどんな人?【ドミニン・ドミネーター】』でした!
